1: 2016/03/23(水) 23:41:03 ID:kCKEv2qU
赤毛娘「や、やめて……お願い……!」

オーク「ぐへへへ……往生際がわりィな、ねえちゃん。
    オレらを誘ったのはそっちなんだぜ?」

触手「うむ……」ウネ…

触手「これも、キサマ自身がまいたタネというやつだ」

魔道士「残念ですが、ここまでです。諦めて下さい」

赤毛娘「いやっ……いやぁぁぁっ!」
2: 2016/03/23(水) 23:45:41 ID:kCKEv2qU
赤毛娘「や、やっぱり、自分の部屋の掃除を、男の人にやってもらうってのは――」

オーク「さてと、このねえちゃんはほっといて、とっとと掃除だ」

オーク「オレが部屋のもんを全部外に出す!」ヒョイヒョイ

持ち前の怪力で、家具を全て外に出すオーク。

触手「続いて、私が部屋の隅々までキレイに汚れを落とす」

シュバババババッ!

核から生えた数十本の触手が、あっという間に部屋の汚れを落とす。

触手「完了だ」ウネッ

魔道士「仕上げはボクですね! ――風よ、汚れを集めろ!」

ビュアアッ!

赤毛娘「ああっ、あたしの部屋が!
    乙女の花園が、男の人たちにかき回されるぅぅぅぅぅ!」

3: 2016/03/23(水) 23:49:36 ID:kCKEv2qU
オーク「家具を元の位置に戻して、と」ヒョイヒョイ

オーク「さ、どうだ?」

ピカピカ…… キラキラ……

見違えるようにキレイになった部屋を見て、目を丸くする赤毛娘。

赤毛娘「わぁ~お……!」

赤毛娘「すっご~い! まさに地獄から天国って感じ! ありがとう!」

オーク「ぐへへへ……やるもんだろ?」

魔道士「これからはマメに掃除するようにして下さいね」

触手(久々だったな……これほど片付けができてない部屋は)ウネウネ

4: 2016/03/23(水) 23:55:30 ID:kCKEv2qU
オーク「んじゃ……もらうもん、もらおうか」グヘヘ…

赤毛娘「へ? お金とるの?」

オーク「たりめーだろが! オレたちゃボランティアじゃねーんだぞ!」

赤毛娘「実はさ……今、あまり持ち合わせがないんだよね。
    酒場でちょっとおごるぐらいじゃ……ダメ?」

オーク「なにぃ~!?」

触手「……まあよいのではないか?
   我々もちゃんと説明してはいなかったしな」ウネウネ

赤毛娘「えへっ、あなたハナシが分かるのね。ありがと~う!」チュッ

触手「よせ……。乙女なら唇は大切にしろ」

オーク「くっそぉ~、なんでいつも触手ばかりモテるんだよ!」

魔道士「……不公平ですよね」

5: 2016/03/23(水) 23:59:06 ID:kCKEv2qU
赤毛娘に案内され、町の酒場へやってきた一行。

< 酒場 >

女主人「はいよ、ビールお待ち!」ゴトンッ

オーク「よぉ~し、おごりってんならたっぷり飲んでやる!」

赤毛娘「あ、あたしがおごるのは最初の一杯だけね」

オーク「マジかよ!?」

オーク「……まあいいか。こんな若くてべっぴんな女将がやってる酒場なんて、
    珍しいしよ!」

女主人「アハハッ、アンタなかなかうまいねえ。
    よぉし、最初の一杯は特別にタダにしてあげるよ!」

オーク「マジかよ!?」

魔道士「若くてキレイなだけじゃなく、気前もいいんですね!」

赤毛娘「じゃあこれでもう、あたしはおごったってことで」

オーク「マジかよ!?」

触手「ちゃっかりした娘だ」ウネッ

6: 2016/03/24(木) 00:04:48 ID:kfgdsbdE
女主人「それにしても、珍しいね。
    オークと触手、それに魔道士のトリオだなんてさ」

女主人「三人でつるんで、気ままに便利屋稼業ってわけかい?」

オーク「まぁな」

オーク「オレは集落を、触手は森を、魔道士は学校をそれぞれ抜け出して――
    それぞれ旅をしてたんだが、ある町で出会ってさ。
    意気投合してつるむようになったってわけだ」

赤毛娘「へぇ~、つまり落ちこぼれトリオってわけだ」

オーク「うっ……もうちょっとオブラートに包んでくれよ……」

魔道士「あうぅ……」

触手「…………」

赤毛娘「あっ、ごめんなさいっ!」

7: 2016/03/24(木) 00:09:38 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「だけど、どうして組むことになったの?」

赤毛娘「もしかして三人で杯を交わしながら、
    『我ら兄弟、生まれた日はちがうが、氏ぬ時は同じ時でありたい!』
    とかやったの?」

オーク「なんだそりゃ!? オレたち義兄弟でもなんでもねえから!
    一緒に氏にたくもねえし!」

触手「あまりドラマチックなエピソードを期待されても困る」ウネ…

赤毛娘「なぁんだ。でもきっかけはあったんでしょ?」

魔道士「ある町で、お腹がすいたボクら三人がお供え物のパンを食べてしまって、
    町の人に取り囲まれちゃったんですよ」

赤毛娘「あらら」

女主人「知らぬこととはいえ、ちょっとまずかったね」

8: 2016/03/24(木) 00:12:46 ID:kfgdsbdE
魔道士「その時、三人で苦し紛れに即席芸をしたら、大ウケして許してもらえて……」

赤毛娘「どんな芸?」

魔道士「ボクと触手さんが力を合わせて、オークさんをぶっ飛ばすんです!」

赤毛娘「想像以上に荒技ね……」

オーク「それで、なんだかオレたちウマが合ったってわけだ」

赤毛娘「アハハッ、ドラマはドラマでもコメディか」

触手「ブタがウマを語るとはな」ウネッ

オーク「おい、今の聞こえたぞ!」ガタッ

女主人「はいはい、ケンカなら外でやってくれよ」

9: 2016/03/24(木) 00:18:07 ID:kfgdsbdE
オーク「しっかし、なんだな」

オーク「この町に来てありつけた仕事は、まだたったの一件……しかもタダ働き」

オーク「ハッキリいっちまうが、『伝説の女騎士』が治めてる町にしちゃあ、
    イマイチ活気がなくねえか?」

魔道士「そうですよね」

魔道士「数年前までこの地方で起こっていた戦乱で、この一帯を部隊を率いて守り抜き、
    今は領主になったと聞いてましたが……」

触手「女性騎士がこの地を治めているというのは、さすがに間違いない情報だろうが――」

触手「この地を賊から守っただとか、『伝説』の部分に関しては、
   単なるウワサに過ぎなかったのだろう」ウネッ

女主人「そうさ、『伝説の女騎士』なんていやしないのさ」

オーク「アンタ、見たことねえのか?」

女主人「なにせアタシがここで店を開いたのは戦乱の後だからねぇ」

赤毛娘「…………」

赤毛娘「ウワサなんかじゃないわ!」

10: 2016/03/24(木) 00:22:35 ID:kfgdsbdE
オーク「ウワサじゃない……?」

赤毛娘「ええ、『伝説の女騎士』は本当にいたのよ」

赤毛娘「あの戦乱の騒ぎに乗じて、この一帯にも山賊や兵隊崩れが次々やってきたの」

赤毛娘「だけど、あの人が部隊を率いてみんなを守ってくれたのよ」

赤毛娘「赤い兜をつけた……女騎士さんがね」

赤毛娘「あたしはまだ子供だったけど、よく覚えてる……。
    あの人がいなきゃ……この町だってきっと滅んでたわ」

魔道士「そうだったんですか……」

触手「真実であったか……失礼した」ウネッ

赤毛娘「いいってことよ!」

オーク「だったらよぉ、もっとこの町も盛り上がっていいはずなんじゃねえか?
    女騎士を中心によォ。いわば救世主なんだろ?」

赤毛娘「…………」

11: 2016/03/24(木) 00:26:56 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「戦乱の後、女騎士さんはこの地域を守り切った手柄ということで、
    この辺りを治める権利を得たみたい」

赤毛娘「やっと素顔をさらしてくれて、領主になったわ」

赤毛娘「だけど……あの人はすっかり変わってしまっていた」

魔道士「変わったって、どういう風にです?」

赤毛娘「それは……いえないわ」

魔道士「ど、どうして?」

赤毛娘は口をつぐんでしまった。

12: 2016/03/24(木) 00:31:29 ID:kfgdsbdE
触手「魔道士、いいたくないことをあまり無理に聞くものではない」ウネッ

触手「『壁に耳あり、柱に触手あり』というしな」

魔道士「なんですか、それ?」

触手「どこになにが潜んでいるか分からない、ということだ。
   うかつに話せば、彼女にもなにかペナルティがあるかもしれん」ウネウネ

魔道士「な、なるほど……」

女主人「ふうん。彼、ウネウネしてるけど、やけにカッコイイじゃないか」

オーク「だろ? アイツ、触手のくせにオレたちの中で一番モテるんだぜ……くそっ」

13: 2016/03/24(木) 00:35:07 ID:kfgdsbdE
オーク「ま、オレたちが立ち入ることじゃねえよ。この町にゃ町のルールがあるんだ」

触手「うむ」

魔道士「はい……」

赤毛娘「……もう、辛気臭くなっちゃって! パーッと飲もう! ね!?」

オーク「おう、そうだな! 飲みまくろうぜ!」

すると――

バタンッ!

兵士A「さぁて、たまにゃパーッと飲み明かすか!」

兵士B「お前の“たまに”は、ほぼ毎日って意味になってるよな!」

兵士C「まったくだ。付き合う身にもなれ」

兵士A「そうだっけか? へっへっへ」

三人の兵士が入ってきた。

14: 2016/03/24(木) 00:38:47 ID:kfgdsbdE
兵士A「オラ、どけっ! 一番いいとこに座ってんじゃねえよ!」ドカッ

青年「す、すみません……」

兵士B「優しいねぇ、ケリだけで済ませるなんてよ。俺だったら叩き斬ってるとこだぜ」

兵士C「いっそ見せしめのために、腕の一本も斬ってしまうのもいいかもしれん」

青年「すぐ、どきますからっ……!」ササッ

魔道士「な、なんですか、あいつら? いきなり……」

赤毛娘「女騎士さんの“私兵”よ。普段は女騎士さんのお屋敷にいるんだけど、
    時々町に来ては、ああやって好き放題するの」

赤毛娘「女主人さんのおかげで、だいぶ抑えられてはいるけどね」

オーク「抑えられてる? どういうこった?」

15: 2016/03/24(木) 00:42:31 ID:kfgdsbdE
兵士A「おうおうおう、そこのねえちゃん」

赤毛娘「な、なによ」

兵士A「ちょっくらよ~、ビールでも注いでくんねえか? なぁ、いいだろ?」ガシッ

赤毛娘「…………!」

オーク「おい――」ガタッ

兵士A「なんだ?」

赤毛娘がオークたちに「口を出すな」と目で合図を送る。

オーク「う……」スッ…

女主人「ちょいと待った」

女主人「今日のとこはさ、これで勘弁してよ」スッ…

兵士A「へっ……美人店主さんの頼みじゃ、まあしゃーねーか」ピッ

兵士は女主人からなにかを受け取ると、大人しく引き下がった。

16: 2016/03/24(木) 00:45:54 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「あ、ありがとうございました……!」

女主人「気にしなさんなって」

魔道士「今、なにを渡したんでしょう?」

オーク「そりゃあれだ、食いもんだろ」ブヒッ

触手「そんなわけあるか……金だろう」

魔道士「お金を……!?」

触手「金というのは恐ろしい魔力を持つシロモノだ。
   凶悪な触手でも、金を握らせると大人しくなるということもある」ウネウネ

魔道士「なるんですか!?」

触手「『触手のうねりも金次第』というだろう?」ウネッ

魔道士「聞いたことないです」

17: 2016/03/24(木) 00:48:46 ID:kfgdsbdE
しばらく、酒と雑談を楽しんだオークたち。

オーク「久々に楽しい酒だったぜ。そろそろ出るか」

魔道士「そうれすねぇ~……」ヨロッ…

触手「おいおい、大丈夫か」ガシッ…

魔道士「だいじょぶれぇ~す……ひひっ」

触手「大丈夫ではないようだな」ウネッ

赤毛娘「フフッ、魔道士君はお酒弱いんだ」

オーク「ったく、世話焼かせやがって……ほれ、行くぞ!」グイッ

女主人「転ばないように気をつけてね」

18: 2016/03/24(木) 00:53:02 ID:kfgdsbdE
< 町 >

外へ出ると、先ほどの兵士たちがまた横暴を働いていた。

商人「ああっ……そんなに売り上げを持っていかれては……」

兵士A「“税”だよ“税”!
    俺たちはてめぇらの領主である女騎士様の部下なんだからよ!」

オーク「あの野郎ども、またやってやがる!」

赤毛娘「だけど、今日はまだ軽い方よ。
    女主人さんがお金を払ってくれたから、機嫌がいいんでしょうね」

赤毛娘「女主人さんが酒場を開くまでは、
    ほとんどいいがかりで殴られて、大ケガした人もいたわ」

魔道士「ひどいれすねぇ……」ヒック

触手「騎士の領地でありながら無法地帯とはな。嘆かわしいことだ」ウネッ

19: 2016/03/24(木) 00:57:57 ID:kfgdsbdE
オーク「なんならオレが、ヤツらをブッ倒してやろうか?」パキポキ…

魔道士「お、いいれすねぇ」

オーク「あんなクソ兵士どもなんざ、ちょちょいの――」

赤毛娘「やめてっ!」

オーク「へ?」

魔道士「えぇ~……やめちゃうんれすか? やっちゃえばいいのに……」ヒック

触手「…………」ウネ…

赤毛娘「あいつら、ただの乱暴者じゃないわ。ものすごく強いの。
    町の腕自慢の人も、あいつらにあっさりボコボコにされちゃったわ」

赤毛娘「それに……たとえばこの町のだれかが逆らったら、
    他の治めてる町に“この町で酷い目にあったから”って嫌がらせするの」

赤毛娘「だから下手に反抗すると、とんでもないことになっちゃうのよ」

オーク「マジかよ……なんつう陰険なやり方だ」

赤毛娘「女騎士さんは本当に変わってしまったのよ……」

20: 2016/03/24(木) 01:01:19 ID:kfgdsbdE
結局、オークたちは兵士らに手を出すことはしなかった。

赤毛娘「じゃ、今日はありがとね。まだしばらくはこの町にいるんでしょ?
    改めて、ちゃんとお礼はさせてもらうから」

赤毛娘「ただし、お金以外でね」ニコッ

スタタッ……

チャームポイントの赤い髪をなびかせ、娘は走り去っていった。

オーク「へっ、最後までちゃっかりした娘だぜ」

魔道士「だけど、あの子の明るさは、みんなの救いになってるはずれすよぉ~、きっと」

オーク「……だな」

触手「さて、我々も宿に戻るとしよう」ウネウネ

21: 2016/03/24(木) 01:06:14 ID:kfgdsbdE
< 宿屋 >

魔道士「…………」

オーク「どうした? やっと酔いが覚めたか?」

魔道士「オークさん、触手さん……この町、どうにか救ってあげることは
    できないでしょうか?」

オーク「救うってのはつまり、オレたちがあの兵士どもをブッ飛ばすってことか?」

魔道士「はい……」

オーク「そりゃおめぇ、オレだってあんな兵士ども殴ってやりてぇよ」

オーク「だけどよ、あの娘もいってたけど、
    それでひどい目にあうのは結局ここらの人間だぜ?」

触手「うむ、部外者が口を出すことではないな」ウネッ

魔道士「そう……ですけど……」

23: 2016/03/24(木) 01:10:48 ID:kfgdsbdE
魔道士「ボクは……今の魔法界にはびこる
    『魔法は出世のために使うもの』という風潮に嫌気がさし、
    学校を飛び出しました」

魔道士「なんの後ろ盾もあてもない放浪生活の中、似たような境遇のお二人に出会い、
    今では一緒に旅をしながら仕事をさせてもらってます」

魔道士「そして、今の生活の中で……魔法とは決して強い人に媚びを売ったり、
    弱い人を虐げるためのものではない、と分かってきました」

魔道士「だから……こういう時こそ、ボクの魔法を役立てたいんです!
    町の人を救いたいんです!」

魔道士「なんとか……なんとかならないでしょうか!?」

オーク「…………」

触手「…………」

三人は、かつて自分たちの巣を飛び出した時のことを思い返していた。

24: 2016/03/24(木) 01:14:26 ID:kfgdsbdE


『他の種族と仲良く?』 『バカいうなよ!』 『俺たちは戦う種族なんだぜ!?』

オーク『こんだけいってもダメかよ……! じゃあもういいよ!
    だったらオレはこんな集落、出ていく!』

『なんだと!?』 『てめぇ!』 『ただで出ていけると思うなよ!』



ウネウネ…… ウゾウゾ……

触手(暗い森の中で、仲間とともにひっそりと獲物を待ち続ける日々……。
   私はもっとちがう生き方をしたい! 日なたに出たい!)

触手『私はもう……こんなじめじめした生活はまっぴらだ!』ウネリッ



教師『魔法を世の中のために役立てる? 愚か者め、下らんことをほざくな!
   魔法は道具だ! 立身出世のための道具なのだ!』

魔道士『…………』

魔道士『だったらボクは……この学校を辞めます!』

教師『そんな勝手を許すと思うか? 懲罰房に叩き込んでくれる!』


25: 2016/03/24(木) 01:18:23 ID:kfgdsbdE
オーク「…………」グッ…

オーク「オレだってなんとかしてえよ! でも、どうにもなんねぇだろうが!
    もしオレらがしくじったら、この町はさらにひでえことになるんだぞ!」

魔道士「そう……ですけど……!」

触手「…………」ウネ…

触手「いや……方法はあるかもしれん」

魔道士「ホ、ホントですか!?」

オーク「マジかよ!?」

触手「耳を貸せ」クイックイッ

………………

…………

……

26: 2016/03/24(木) 01:22:01 ID:kfgdsbdE
翌日――

< 町 >

町をぶらつく三人組のもとに、赤毛娘がやってきた。

赤毛娘「あ~ら、こんにちは! ヒマそうでなによりね!」

魔道士「こんにちは!」

オーク「ヒマそう、は余計だっつうの」

赤毛娘「じゃあ、肥満そう」

オーク「オレのガタイは肥満じゃなくて筋肉だ! 脂肪もちょっとはついてるけど……」

触手「買い物カゴを持ってるが、ショッピングか?」ウネウネ

赤毛娘「ほら、掃除のお礼はちゃんとするっていったでしょ?
    だから、今日は手料理を振るまおうかと思って!」

オーク「マジかよ!?」

オーク「部屋は汚いわ、金にも汚いわで、ひっでえ娘だと思ってたが、
    少しはいいとこもあんじゃねえか!」

赤毛娘「でしょ~? 少しはいいとこもあんのよ、あたし」

魔道士(すごい会話だ……)

27: 2016/03/24(木) 01:26:33 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「いっとくけど、あたし料理には自信あるからね」

オーク「ホントかよぉ?」

赤毛娘「ホントホント。材料買ってくるから、あとであたしの家に来てくれない?」

魔道士「分かりました!」

オーク「楽しみにしてるぜ! おっと、口直しできるもんも持ってかないとな!」ブヒッ

魔道士「オークさん!」

触手「…………」ウネ…

物陰には――

兵士A「おい、見ろよ。昨日の娘だぜ」

兵士B「昨日は見逃してやったが……やっぱり味見ぐらいしときてえよな」

兵士C「ならば捕えて、ムリヤリ屋敷まで連れ帰るのがよかろう」

兵士A「それが手っ取り早いな、そうするか!」

28: 2016/03/24(木) 01:30:21 ID:kfgdsbdE
< 商店街 >

赤毛娘「これでよし、と!」

赤毛娘(さて、家に――)

赤毛娘「!」

赤毛娘を待ちかまえていたのは、昨日の兵士三人組。

兵士A「へっへっへ、ちょっと付き合ってもらおうか?
    なぁに心配すんな。気持ちいいことしてもらうだけだからよ」

ガシッ!

赤毛娘「は、はなして! なにすんの!」

兵士A「いいから来いよ!」グイッ

白昼堂々の誘拐劇。
にもかかわらず、町の人間にはどうすることもできない。

なぜなら私兵に歯向かうことは、『伝説の女騎士』と敵対することを意味する。
すなわち、町の寿命を縮めることを意味するのだから。

29: 2016/03/24(木) 01:36:07 ID:kfgdsbdE
同じく、商店街で買い出しをしていた女主人。

女主人「――――!」ハッ

女主人「ちょっと! なにしてるんだよ!」

兵士A「お? おおアンタか。いつも世話になってるな」

女主人「金は払う! とっととその娘をはなしな!」

兵士A「そりゃ、できねえなぁ」ニヤニヤ…

兵士B「俺たち、もう収まらねえのよ。金なんかじゃな」

兵士C「いっておくが……止めようなどと思わないことだ。
    女騎士様を敵に回すことになるのだからな」

女主人「くっ……!」

赤毛娘「あ、あたしは大丈夫……! だから気にしないで……!」

兵士A「へっ、ようやく覚悟が決まったようだな! オラ、来いや!」グイッ

女主人(今までは酒や金でご機嫌とってりゃなんとかなったってのに……!
    どうすれば……!)

30: 2016/03/24(木) 01:38:40 ID:kfgdsbdE
オーク「待ちな」ズンッ

魔道士「待って下さい!」ザッ

触手「…………」ウネ…

兵士たちの前に立ちはだかったのは、オークたち三人組。

兵士A「てめぇら、なんの用だ?」

オーク「決まってんだろ? その女を取り返しにきたんだよ」

魔道士「さすが触手さん、よくあの兵士たちの気配に気づきましたね?」ボソッ

触手「私は振動に敏感だからな。それに一度覚えた“歩き方”は忘れん」ボソッ

31: 2016/03/24(木) 01:42:56 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「ダ、ダメッ……!」

兵士A「おい、ブタ野郎……。魔物の分際で、人間サマに逆らおうってのか?
    そうか、町の奴らに雇われたんだな?」

オーク「雇われたぁ? 勘違いすんなよ。
    オレらはな、今日からこの町を乗っ取ることにしたのさ!」ビシッ

兵士A「へ!?」

赤毛娘(え!?)

オーク「その娘で遊ぶのはオレらだ! ブヒブヒいわせてやるぜ!」

触手「私もその娘をなぶりたくてたまらん。『触手、色を好む』というしな」ウネウネ

魔道士「赤毛娘さんに……魔法でエ、エOチなことを……しまくってやるのさ!」

兵士B「なんだとぉ!?」

兵士C「なるほど……町の味方ではなく、とんだ悪党どもだったようだ」

兵士A「ほぉう、おもしれえ。だが、勉強不足だったようだな。
    俺たちは女騎士様直属の兵隊! てめぇらなんか一瞬で――」

ドゴンッ!

オークのパンチが、しゃべっている兵士の顔面にめり込んだ。

32: 2016/03/24(木) 01:46:13 ID:kfgdsbdE
兵士A「ぎゃふぅっ……!」ドサッ…

殴られた兵士は一撃でのびてしまった。

オーク「ふん、こんなもんかよ。ちょろいぜ」ブヒッ

兵士B&C「!」

兵士C「少しはできるようだ……始末するぞ」チャキッ

兵士B「おう!」チャキッ

残る二人も、ほとんど動揺なく襲いかかってくるが――

33: 2016/03/24(木) 01:49:24 ID:kfgdsbdE
魔道士「雷よ! 落ちろ!」

ピッシャァンッ!

兵士B「ぎゃあああああっ!」

一人は雷に打たれ――

触手「触手拳法、触手百烈拳!」シュババババババッ

ズドドドドドドッ!

兵士C「ぐげあぁぁっ……!」

もう一人は全身を触手で突かれた。

34: 2016/03/24(木) 01:52:44 ID:kfgdsbdE
兵士A「ぢ、ぢくじょう……! 女騎士様に報告だ!」スタタッ

あっさりと三人の兵士を撃退したオークたち。

オーク「ぐへへへ……ざまあねえぜ!」

魔道士「あのう……いっつも思ってることなんですけど、
    触手さんのアレって“拳法”ではないんじゃ?」

触手「触“手”がやってるんだから、“拳”法でいいんだ」ウネ…

魔道士「はぁ……」

赤毛娘(すっごい……! 女騎士さんの兵士たちをあっさり……!)

35: 2016/03/24(木) 01:56:26 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「でも、あんなことしたらまずいって! あなたたち、早く町から逃げて!」

オーク「逃げる? なんで逃げなきゃならねえんだ」

赤毛娘「だって……あの兵士たち、女騎士さんに報告するって!」

オーク「ふん、望むところだぜ。なぜなら――」

オーク「女騎士は」

触手「我々が」

魔道士「倒します!」

オーク「――ってことだ! どうだ、決まっただろ?」

触手「宿屋で何度も練習したかいがあったな」ウネッ

魔道士「隣の部屋の人に“うるせーぞ!”って怒られましたけどね」

赤毛娘「うう……なんだかよく分からないけど、すごい迫力だったわ……!」

36: 2016/03/24(木) 02:00:51 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「あなたたち……何者なの? ただの便利屋さんじゃなかったの?」

オーク「よくぞ聞いてくれた! オレたちゃ、
    ボディガードから用心棒までなんでもこなす、三人組よ!」

赤毛娘「なんでもにしちゃずいぶん狭いけど」

オーク「うぐっ! ミスっちまった……。清掃から用心棒でお願いします……」

女主人「……アンタたちが只者じゃないことは分かってたけどね」

赤毛娘「女主人さん、どうして?」

女主人「オーク集落も、触手群生地も、そして魔法学校も――
    方針に従わない『去る者は叩き潰す』ってとこは共通してる」

女主人「それなりの腕がなきゃ、この三人みたいな自由人にはなれないさ」

赤毛娘「はぁ~……なるほど」

赤毛娘「でもさ、なんであなたたち、この町を乗っ取るなんていったの?
    あれ、ウソでしょ?」

オーク「決まってんだろ? もしオレらがしくじっても、
    この町の住民のせいにならないようにするためだよ」

赤毛娘「あ……ちゃんと考えてくれてたんだ。やるぅ!」

37: 2016/03/24(木) 02:03:53 ID:kfgdsbdE
オーク「ああいっときゃ、女騎士の標的はオレたちだけになる!
    町に責任が及ぶことを気にせずケンカを売れるってわけだ!」

魔道士「これは触手さんのアイディアなんですよ」

触手「魔道士、お前はだいぶ演技がぎこちなかったがな」ツンツン

魔道士「す、すみません! こういうの初めてだったんで……」

赤毛娘「あたしたちのために……ありがとう!」

女主人「やるねえ、アンタたち!」

38: 2016/03/24(木) 02:09:51 ID:kfgdsbdE
ザワザワ…… ドヨドヨ……

喜び半分、戸惑い半分の住民たちにオークが呼びかける。

オーク「いいか!」

オーク「これからオレたちは“町の平和を脅かす悪党”として、女騎士どもと戦う!」

オーク「だから、オレたちに肩入れするような発言は絶対すんなよ!
    オレたち一世一代の大芝居が、全部猿芝居になっちまうからな!」

触手「ブタ芝居じゃないのか?」ウネウネ

赤毛娘「ぶふっ!」

オーク「もう! せっかくのカッコイイ場面が台無しじゃねえか!」ブヒッ

ハハハ…… クスクス……

オーク「戦いは久々だからな、気合入れてくぜ!」

触手「うむ」ウネッ

魔道士「はいっ!」

39: 2016/03/24(木) 02:13:36 ID:kfgdsbdE
< 女騎士の屋敷 >

女騎士に敗北の報告をする兵士たち。

女騎士「ほう……この私の領地である、あの町を乗っ取ると」

兵士A「は、はい……我々ではとても歯が立ちませんでした……」

女騎士「フ、フフ……クククッ……」

不気味に笑う女騎士に、兵士たちの顔が青ざめる。
彼らとて、女騎士が恐ろしいのだ。

女騎士「オークに触手、魔道士のトリオとは……そそられるではないか。
    あいつらとどっちが上かな……?」

兵士A「は?」

女騎士「……いや、なんでもない。すぐに討伐の準備を整えよう」

兵士A「ははっ! お聞き届け下さり、ありがとうございます!」

40: 2016/03/24(木) 02:21:10 ID:kfgdsbdE
女騎士「しかし……」

女騎士「出陣の前に、私の手をわずらわせる役立たずの始末はしておかねばな」チャキッ

兵士A「え……!?」

兵士B「そ、そんなっ!」

兵士C「ま、待ってくださ――」

ザシュッ! ズシャッ! ザンッ!

三つの屍と赤く染まった剣。女騎士が笑う。

女騎士「フフフ、久々に楽しめそうだ……」

45: 2016/03/25(金) 01:41:36 ID:fSARKG8k
オークらの宣戦布告から、約一時間後――

< 町 >

50人の兵士を率いて、女騎士がやってきた。

ズラッ……

女騎士「キサマらが、この町を乗っ取ろうという無法者三人組か」

オーク「おうよ! ド田舎だが、オレらの拠点にするにゃ、ちょうどいいからな」

触手「しかも、いい女もたくさんいる……退屈しそうにないのでな」ウネッ

魔道士「この町は……ボクたちのものです! みんな、奴隷にしちゃいます!」

女騎士「フッ、流れ者にしては威勢がいい」

赤毛娘(三人ともノリノリね。魔道士君はちょっとぎこちないけど……)

46: 2016/03/25(金) 01:45:25 ID:fSARKG8k
女騎士「それにしても、オーク、触手、魔道士とは……
    これはこれは……奇遇というべきか。面白い組み合わせだな」

オーク「?」

女騎士「どうだ? 私への絶対服従を誓うのであれば、
    末席で仲間に加えてやってもいいぞ」

女騎士「私はな、こんな辺境の領主で満足するつもりなど毛頭ない」

女騎士「権力も、武力も、領地も、もっともっと充実させたいと思っている。
    種族や身分は問わん。お前たちのような無頼者も大歓迎だ」

オーク「なぁ~にいってやがんだ、この女。なぁ?」

触手「我々とて、仕える相手は選びたい」ウネリ…

魔道士「あなたみたいな人に仕えるなんて、まっぴらですよ!」

オーク「――ってことだ。お前なんかの下につくくらいなら、
    荷馬車に乗せられて、可愛い子豚として市場に売られた方がマシだぜ!」ビシッ

女騎士「!」ピクッ…

女騎士の顔がみるみるうちに怒りを帯びる。

47: 2016/03/25(金) 01:48:16 ID:fSARKG8k
女騎士「くっ……殺せぇっ!」バッ

ウオオォォォォォ……!

号令と同時にオークたちめがけ、私兵軍団が突撃する。

赤毛娘(ああっ、ついに始まっちゃった!)

女主人(女騎士の兵は数は多くないが、質は悪くない。決して楽な相手じゃないよ……)

48: 2016/03/25(金) 01:52:41 ID:fSARKG8k
オーク「えぇ~と、50人だから……一人につき10人倒せばいいわけだな?」

触手「全然ちがう。16.7人だ」ウネッ

オーク「0.7はどうすんだよ。バラバラにすんのか?」

魔道士「ちょっとちょっと! グロイ話はやめましょうよ!
    だいたい17人倒せばいいんですよ!」

オーク「17か……多くねえか? オークだけに」

触手「構えろ。来るぞ」ウネッ

魔道士「はい!」サッ

オーク「多くねえか? オークだけに」

触手&魔道士(絶対突っ込まない)

「女騎士様に盾突くとはバカな奴らだ!」 「ブッ殺せ!」 「やっちまえぇ!」

49: 2016/03/25(金) 01:55:07 ID:fSARKG8k
オーク「突っ込まれねぇなら、突っ込んでやらぁ! ぬぅぅぅ……!」ムキムキッ

オークの太い右腕が、さらなる隆起を見せる。

オーク「オークラリアットォ!!!」

ドゴォンッ!!!

一撃で、兵士数人が軽々と吹っ飛んだ。

「うおおっ!?」 「なんて怪力だ!」 「ほ、他の二人を狙え!」

続いて、兵士数人が触手に向かって突っ込んでいくが――

触手「オークの馬鹿力に恐れをなし、非力そうな私に向かってくるか……。
   気持ちは分かるがな……」ウネウネ

触手「触手系の魔物に、真正面から斬りかかるというのは感心せんな」

触手「それこそ『飛んで触手に入る夏の虫』というやつだ」ウネッ

50: 2016/03/25(金) 01:57:46 ID:fSARKG8k
触手「触手拳法、触手乱舞ッ!」

シュバババババッ!

ギャァァァァ……!

無数の触手から放射状に繰り出される突きが、次々と兵士たちを昏倒させる。

「こいつもつええ!」 「だったらあの魔法使いだ!」 「あの小僧ならやれる!」

オークも触手も手強いと分かり、兵士たちの矛先が魔道士に向く。

魔道士「当然こうなりますよね……。まいったなぁ……」

51: 2016/03/25(金) 02:00:54 ID:fSARKG8k
魔道士「炎よ! 風よ! 雷よ!」

ボワァッ! ビュアァッ! バリバリッ!

「あっちぃぃぃ!」ボワァッ 「うわぁぁぁっ!」ビュオッ 「あばばばばっ!」バチバチッ

各属性の魔法を器用に繰り出し、兵士たちを倒していく。

魔道士「――よし! 絶好調!」シュゥゥ…

オーク&触手「…………」

オーク「なんつうかさ、フツーだな」

触手「ああ、普通すぎる」

魔道士「え?」

オーク「もうちょっとこう……ねぇ?
    見てる人も楽しめる、バラエティ豊かな倒し方をしてくれないと」

魔道士「た、たとえば……?」

触手「尻から魔法を出す、とか」ウネッ

魔道士「イヤですよ! しばらくトイレが大変になっちゃうし!」

オーク&触手(え、やったことあるの!?)

52: 2016/03/25(金) 02:04:09 ID:fSARKG8k
ザワザワ…… ドヨドヨ……

赤毛娘「す、すっごぉ~い!」

女主人「ああ、やるもんじゃないか。
    オークの最初のラリアットがよかったんだろうね」

青年「あのパワフルな一撃が、敵の出鼻をくじいたってことですね!」

女主人「そういうことだね」

女主人(だけど……あの女騎士もそうヤワなもんじゃない。
    直接出向いてきたってことは、さらなる“切り札”を持ってるはず!)

女主人(それが片付くまでは、安心できないね……)

女騎士「…………」

53: 2016/03/25(金) 02:07:31 ID:fSARKG8k
オーク「オークスープレックス!」グオンッ

ドゴォン!!!

兵士D「ぐべぁっ!」

触手「触手拳法……くすぐり」モゾモゾ…

兵士E「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! あへぇ……」ビクンビクン

魔道士「水よ、敵を撃ち抜け!」

バシュゥゥゥゥ!

兵士F「あぎゃあっ!」

ついにオークたちは、女騎士の兵士50人を倒してみせた。

54: 2016/03/25(金) 02:12:46 ID:fSARKG8k
オーク「ぐへへへ……残るはアンタだけだな! 女騎士!」

女騎士「…………」

オーク「どうした? 三対一でオレらと戦うか、降参するか、とっとと選べや」

女騎士「最後にもう一度だけ聞いておこう」

女騎士「私の配下になる気はないか? キサマらほどの強さの者なら、私も歓迎するぞ」

オーク「だれがなるか、バカ女!」

触手「答えはもちろん――」

魔道士「ノーに決まってる!」

女騎士の目に暗い光が灯る。

女騎士「そうか、残念だ。ならば……」パチンッ

女騎士が指を鳴らす。すると――

ズオオオッ!!!

55: 2016/03/25(金) 02:16:47 ID:fSARKG8k
女騎士を囲むように三つの魔法陣が現れ、それぞれから――

ズゴゴゴゴゴ……!

黒オーク「ぶひゃひゃひゃ、お呼びっすか、女騎士さん」ズシンッ

毒触手「やっと出番ですかぁ~、待ちくたびれちゃいましたよぉ~」グネグネ…

闇魔道士「我が闇の魔力は、犠牲者を求めてうずうずしておりますよ」ズォォ…

黒い皮膚のオーク、毒々しい紫色の触手、不気味なローブの魔道士が召喚された。

オーク「な、なんだこいつら!?」

触手「我々と似ているが――」

魔道士「ちょっとちがう!」

56: 2016/03/25(金) 02:19:42 ID:fSARKG8k
女騎士「紹介してやろう」

女騎士「この三名はな、異国にて抜群の悪名を誇っていた三人組だ。
    かえって犠牲者が増えるという判断で、賞金首にすらされなかったほどだ」

女騎士「今や各国政府に追われる身だが、私が密かに目をつけ、かくまっていたのだ」

女騎士「なるべくなら、表に出したくない存在なのだが……
    今回ばかりは仕方あるまい」

女騎士「それに、こいつらも屋敷で大人しくしているのに飽きてきた頃だったしな。
    たまにはガス抜きさせてやらんと気の毒だ」

黒オーク「ぶひょひょ~、ありがとうございます!」

毒触手「イヒヒ、久々に頃しを楽しめるってもんです」グネグネ

闇魔道士「我が闇魔法の威力……たっぷりとお見せしましょう」

57: 2016/03/25(金) 02:23:41 ID:fSARKG8k
青年「そういえば昔、旅人から聞いたことがある!」

赤毛娘「えっ!?」

青年「なんでも、よその国で無差別な殺戮を繰り返してた凶悪な三人組がいたって……。
   しかも、結局今も捕まってないって……」

赤毛娘「あの三人がそうだっていうの?」

青年「確証はないけど……そうとしか考えられない!」

女主人(なるほど、あんな切り札を隠してたってわけかい)

女主人(さっきの兵士50人より、あの三人のがよっぽど厄介だね)

女主人(それと気になることがもうひとつ)

女主人(魔法陣を介してあの三人は登場したが、あれは闇魔道士の力じゃなく、
    女騎士によるものだった)

女主人(あいつは魔法を使えないはずなのに……どうして……)

58: 2016/03/25(金) 02:26:35 ID:fSARKG8k

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