1: 2016/03/23(水) 23:41:03 ID:kCKEv2qU
赤毛娘「や、やめて……お願い……!」
オーク「ぐへへへ……往生際がわりィな、ねえちゃん。
オレらを誘ったのはそっちなんだぜ?」
触手「うむ……」ウネ…
触手「これも、キサマ自身がまいたタネというやつだ」
魔道士「残念ですが、ここまでです。諦めて下さい」
赤毛娘「いやっ……いやぁぁぁっ!」
オーク「ぐへへへ……往生際がわりィな、ねえちゃん。
オレらを誘ったのはそっちなんだぜ?」
触手「うむ……」ウネ…
触手「これも、キサマ自身がまいたタネというやつだ」
魔道士「残念ですが、ここまでです。諦めて下さい」
赤毛娘「いやっ……いやぁぁぁっ!」
2: 2016/03/23(水) 23:45:41 ID:kCKEv2qU
赤毛娘「や、やっぱり、自分の部屋の掃除を、男の人にやってもらうってのは――」
オーク「さてと、このねえちゃんはほっといて、とっとと掃除だ」
オーク「オレが部屋のもんを全部外に出す!」ヒョイヒョイ
持ち前の怪力で、家具を全て外に出すオーク。
触手「続いて、私が部屋の隅々までキレイに汚れを落とす」
シュバババババッ!
核から生えた数十本の触手が、あっという間に部屋の汚れを落とす。
触手「完了だ」ウネッ
魔道士「仕上げはボクですね! ――風よ、汚れを集めろ!」
ビュアアッ!
赤毛娘「ああっ、あたしの部屋が!
乙女の花園が、男の人たちにかき回されるぅぅぅぅぅ!」
オーク「さてと、このねえちゃんはほっといて、とっとと掃除だ」
オーク「オレが部屋のもんを全部外に出す!」ヒョイヒョイ
持ち前の怪力で、家具を全て外に出すオーク。
触手「続いて、私が部屋の隅々までキレイに汚れを落とす」
シュバババババッ!
核から生えた数十本の触手が、あっという間に部屋の汚れを落とす。
触手「完了だ」ウネッ
魔道士「仕上げはボクですね! ――風よ、汚れを集めろ!」
ビュアアッ!
赤毛娘「ああっ、あたしの部屋が!
乙女の花園が、男の人たちにかき回されるぅぅぅぅぅ!」
3: 2016/03/23(水) 23:49:36 ID:kCKEv2qU
オーク「家具を元の位置に戻して、と」ヒョイヒョイ
オーク「さ、どうだ?」
ピカピカ…… キラキラ……
見違えるようにキレイになった部屋を見て、目を丸くする赤毛娘。
赤毛娘「わぁ~お……!」
赤毛娘「すっご~い! まさに地獄から天国って感じ! ありがとう!」
オーク「ぐへへへ……やるもんだろ?」
魔道士「これからはマメに掃除するようにして下さいね」
触手(久々だったな……これほど片付けができてない部屋は)ウネウネ
オーク「さ、どうだ?」
ピカピカ…… キラキラ……
見違えるようにキレイになった部屋を見て、目を丸くする赤毛娘。
赤毛娘「わぁ~お……!」
赤毛娘「すっご~い! まさに地獄から天国って感じ! ありがとう!」
オーク「ぐへへへ……やるもんだろ?」
魔道士「これからはマメに掃除するようにして下さいね」
触手(久々だったな……これほど片付けができてない部屋は)ウネウネ
4: 2016/03/23(水) 23:55:30 ID:kCKEv2qU
オーク「んじゃ……もらうもん、もらおうか」グヘヘ…
赤毛娘「へ? お金とるの?」
オーク「たりめーだろが! オレたちゃボランティアじゃねーんだぞ!」
赤毛娘「実はさ……今、あまり持ち合わせがないんだよね。
酒場でちょっとおごるぐらいじゃ……ダメ?」
オーク「なにぃ~!?」
触手「……まあよいのではないか?
我々もちゃんと説明してはいなかったしな」ウネウネ
赤毛娘「えへっ、あなたハナシが分かるのね。ありがと~う!」チュッ
触手「よせ……。乙女なら唇は大切にしろ」
オーク「くっそぉ~、なんでいつも触手ばかりモテるんだよ!」
魔道士「……不公平ですよね」
赤毛娘「へ? お金とるの?」
オーク「たりめーだろが! オレたちゃボランティアじゃねーんだぞ!」
赤毛娘「実はさ……今、あまり持ち合わせがないんだよね。
酒場でちょっとおごるぐらいじゃ……ダメ?」
オーク「なにぃ~!?」
触手「……まあよいのではないか?
我々もちゃんと説明してはいなかったしな」ウネウネ
赤毛娘「えへっ、あなたハナシが分かるのね。ありがと~う!」チュッ
触手「よせ……。乙女なら唇は大切にしろ」
オーク「くっそぉ~、なんでいつも触手ばかりモテるんだよ!」
魔道士「……不公平ですよね」
5: 2016/03/23(水) 23:59:06 ID:kCKEv2qU
赤毛娘に案内され、町の酒場へやってきた一行。
< 酒場 >
女主人「はいよ、ビールお待ち!」ゴトンッ
オーク「よぉ~し、おごりってんならたっぷり飲んでやる!」
赤毛娘「あ、あたしがおごるのは最初の一杯だけね」
オーク「マジかよ!?」
オーク「……まあいいか。こんな若くてべっぴんな女将がやってる酒場なんて、
珍しいしよ!」
女主人「アハハッ、アンタなかなかうまいねえ。
よぉし、最初の一杯は特別にタダにしてあげるよ!」
オーク「マジかよ!?」
魔道士「若くてキレイなだけじゃなく、気前もいいんですね!」
赤毛娘「じゃあこれでもう、あたしはおごったってことで」
オーク「マジかよ!?」
触手「ちゃっかりした娘だ」ウネッ
< 酒場 >
女主人「はいよ、ビールお待ち!」ゴトンッ
オーク「よぉ~し、おごりってんならたっぷり飲んでやる!」
赤毛娘「あ、あたしがおごるのは最初の一杯だけね」
オーク「マジかよ!?」
オーク「……まあいいか。こんな若くてべっぴんな女将がやってる酒場なんて、
珍しいしよ!」
女主人「アハハッ、アンタなかなかうまいねえ。
よぉし、最初の一杯は特別にタダにしてあげるよ!」
オーク「マジかよ!?」
魔道士「若くてキレイなだけじゃなく、気前もいいんですね!」
赤毛娘「じゃあこれでもう、あたしはおごったってことで」
オーク「マジかよ!?」
触手「ちゃっかりした娘だ」ウネッ
6: 2016/03/24(木) 00:04:48 ID:kfgdsbdE
女主人「それにしても、珍しいね。
オークと触手、それに魔道士のトリオだなんてさ」
女主人「三人でつるんで、気ままに便利屋稼業ってわけかい?」
オーク「まぁな」
オーク「オレは集落を、触手は森を、魔道士は学校をそれぞれ抜け出して――
それぞれ旅をしてたんだが、ある町で出会ってさ。
意気投合してつるむようになったってわけだ」
赤毛娘「へぇ~、つまり落ちこぼれトリオってわけだ」
オーク「うっ……もうちょっとオブラートに包んでくれよ……」
魔道士「あうぅ……」
触手「…………」
赤毛娘「あっ、ごめんなさいっ!」
オークと触手、それに魔道士のトリオだなんてさ」
女主人「三人でつるんで、気ままに便利屋稼業ってわけかい?」
オーク「まぁな」
オーク「オレは集落を、触手は森を、魔道士は学校をそれぞれ抜け出して――
それぞれ旅をしてたんだが、ある町で出会ってさ。
意気投合してつるむようになったってわけだ」
赤毛娘「へぇ~、つまり落ちこぼれトリオってわけだ」
オーク「うっ……もうちょっとオブラートに包んでくれよ……」
魔道士「あうぅ……」
触手「…………」
赤毛娘「あっ、ごめんなさいっ!」
7: 2016/03/24(木) 00:09:38 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「だけど、どうして組むことになったの?」
赤毛娘「もしかして三人で杯を交わしながら、
『我ら兄弟、生まれた日はちがうが、氏ぬ時は同じ時でありたい!』
とかやったの?」
オーク「なんだそりゃ!? オレたち義兄弟でもなんでもねえから!
一緒に氏にたくもねえし!」
触手「あまりドラマチックなエピソードを期待されても困る」ウネ…
赤毛娘「なぁんだ。でもきっかけはあったんでしょ?」
魔道士「ある町で、お腹がすいたボクら三人がお供え物のパンを食べてしまって、
町の人に取り囲まれちゃったんですよ」
赤毛娘「あらら」
女主人「知らぬこととはいえ、ちょっとまずかったね」
赤毛娘「もしかして三人で杯を交わしながら、
『我ら兄弟、生まれた日はちがうが、氏ぬ時は同じ時でありたい!』
とかやったの?」
オーク「なんだそりゃ!? オレたち義兄弟でもなんでもねえから!
一緒に氏にたくもねえし!」
触手「あまりドラマチックなエピソードを期待されても困る」ウネ…
赤毛娘「なぁんだ。でもきっかけはあったんでしょ?」
魔道士「ある町で、お腹がすいたボクら三人がお供え物のパンを食べてしまって、
町の人に取り囲まれちゃったんですよ」
赤毛娘「あらら」
女主人「知らぬこととはいえ、ちょっとまずかったね」
8: 2016/03/24(木) 00:12:46 ID:kfgdsbdE
魔道士「その時、三人で苦し紛れに即席芸をしたら、大ウケして許してもらえて……」
赤毛娘「どんな芸?」
魔道士「ボクと触手さんが力を合わせて、オークさんをぶっ飛ばすんです!」
赤毛娘「想像以上に荒技ね……」
オーク「それで、なんだかオレたちウマが合ったってわけだ」
赤毛娘「アハハッ、ドラマはドラマでもコメディか」
触手「ブタがウマを語るとはな」ウネッ
オーク「おい、今の聞こえたぞ!」ガタッ
女主人「はいはい、ケンカなら外でやってくれよ」
赤毛娘「どんな芸?」
魔道士「ボクと触手さんが力を合わせて、オークさんをぶっ飛ばすんです!」
赤毛娘「想像以上に荒技ね……」
オーク「それで、なんだかオレたちウマが合ったってわけだ」
赤毛娘「アハハッ、ドラマはドラマでもコメディか」
触手「ブタがウマを語るとはな」ウネッ
オーク「おい、今の聞こえたぞ!」ガタッ
女主人「はいはい、ケンカなら外でやってくれよ」
9: 2016/03/24(木) 00:18:07 ID:kfgdsbdE
オーク「しっかし、なんだな」
オーク「この町に来てありつけた仕事は、まだたったの一件……しかもタダ働き」
オーク「ハッキリいっちまうが、『伝説の女騎士』が治めてる町にしちゃあ、
イマイチ活気がなくねえか?」
魔道士「そうですよね」
魔道士「数年前までこの地方で起こっていた戦乱で、この一帯を部隊を率いて守り抜き、
今は領主になったと聞いてましたが……」
触手「女性騎士がこの地を治めているというのは、さすがに間違いない情報だろうが――」
触手「この地を賊から守っただとか、『伝説』の部分に関しては、
単なるウワサに過ぎなかったのだろう」ウネッ
女主人「そうさ、『伝説の女騎士』なんていやしないのさ」
オーク「アンタ、見たことねえのか?」
女主人「なにせアタシがここで店を開いたのは戦乱の後だからねぇ」
赤毛娘「…………」
赤毛娘「ウワサなんかじゃないわ!」
オーク「この町に来てありつけた仕事は、まだたったの一件……しかもタダ働き」
オーク「ハッキリいっちまうが、『伝説の女騎士』が治めてる町にしちゃあ、
イマイチ活気がなくねえか?」
魔道士「そうですよね」
魔道士「数年前までこの地方で起こっていた戦乱で、この一帯を部隊を率いて守り抜き、
今は領主になったと聞いてましたが……」
触手「女性騎士がこの地を治めているというのは、さすがに間違いない情報だろうが――」
触手「この地を賊から守っただとか、『伝説』の部分に関しては、
単なるウワサに過ぎなかったのだろう」ウネッ
女主人「そうさ、『伝説の女騎士』なんていやしないのさ」
オーク「アンタ、見たことねえのか?」
女主人「なにせアタシがここで店を開いたのは戦乱の後だからねぇ」
赤毛娘「…………」
赤毛娘「ウワサなんかじゃないわ!」
10: 2016/03/24(木) 00:22:35 ID:kfgdsbdE
オーク「ウワサじゃない……?」
赤毛娘「ええ、『伝説の女騎士』は本当にいたのよ」
赤毛娘「あの戦乱の騒ぎに乗じて、この一帯にも山賊や兵隊崩れが次々やってきたの」
赤毛娘「だけど、あの人が部隊を率いてみんなを守ってくれたのよ」
赤毛娘「赤い兜をつけた……女騎士さんがね」
赤毛娘「あたしはまだ子供だったけど、よく覚えてる……。
あの人がいなきゃ……この町だってきっと滅んでたわ」
魔道士「そうだったんですか……」
触手「真実であったか……失礼した」ウネッ
赤毛娘「いいってことよ!」
オーク「だったらよぉ、もっとこの町も盛り上がっていいはずなんじゃねえか?
女騎士を中心によォ。いわば救世主なんだろ?」
赤毛娘「…………」
赤毛娘「ええ、『伝説の女騎士』は本当にいたのよ」
赤毛娘「あの戦乱の騒ぎに乗じて、この一帯にも山賊や兵隊崩れが次々やってきたの」
赤毛娘「だけど、あの人が部隊を率いてみんなを守ってくれたのよ」
赤毛娘「赤い兜をつけた……女騎士さんがね」
赤毛娘「あたしはまだ子供だったけど、よく覚えてる……。
あの人がいなきゃ……この町だってきっと滅んでたわ」
魔道士「そうだったんですか……」
触手「真実であったか……失礼した」ウネッ
赤毛娘「いいってことよ!」
オーク「だったらよぉ、もっとこの町も盛り上がっていいはずなんじゃねえか?
女騎士を中心によォ。いわば救世主なんだろ?」
赤毛娘「…………」
11: 2016/03/24(木) 00:26:56 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「戦乱の後、女騎士さんはこの地域を守り切った手柄ということで、
この辺りを治める権利を得たみたい」
赤毛娘「やっと素顔をさらしてくれて、領主になったわ」
赤毛娘「だけど……あの人はすっかり変わってしまっていた」
魔道士「変わったって、どういう風にです?」
赤毛娘「それは……いえないわ」
魔道士「ど、どうして?」
赤毛娘は口をつぐんでしまった。
この辺りを治める権利を得たみたい」
赤毛娘「やっと素顔をさらしてくれて、領主になったわ」
赤毛娘「だけど……あの人はすっかり変わってしまっていた」
魔道士「変わったって、どういう風にです?」
赤毛娘「それは……いえないわ」
魔道士「ど、どうして?」
赤毛娘は口をつぐんでしまった。
12: 2016/03/24(木) 00:31:29 ID:kfgdsbdE
触手「魔道士、いいたくないことをあまり無理に聞くものではない」ウネッ
触手「『壁に耳あり、柱に触手あり』というしな」
魔道士「なんですか、それ?」
触手「どこになにが潜んでいるか分からない、ということだ。
うかつに話せば、彼女にもなにかペナルティがあるかもしれん」ウネウネ
魔道士「な、なるほど……」
女主人「ふうん。彼、ウネウネしてるけど、やけにカッコイイじゃないか」
オーク「だろ? アイツ、触手のくせにオレたちの中で一番モテるんだぜ……くそっ」
触手「『壁に耳あり、柱に触手あり』というしな」
魔道士「なんですか、それ?」
触手「どこになにが潜んでいるか分からない、ということだ。
うかつに話せば、彼女にもなにかペナルティがあるかもしれん」ウネウネ
魔道士「な、なるほど……」
女主人「ふうん。彼、ウネウネしてるけど、やけにカッコイイじゃないか」
オーク「だろ? アイツ、触手のくせにオレたちの中で一番モテるんだぜ……くそっ」
13: 2016/03/24(木) 00:35:07 ID:kfgdsbdE
オーク「ま、オレたちが立ち入ることじゃねえよ。この町にゃ町のルールがあるんだ」
触手「うむ」
魔道士「はい……」
赤毛娘「……もう、辛気臭くなっちゃって! パーッと飲もう! ね!?」
オーク「おう、そうだな! 飲みまくろうぜ!」
すると――
バタンッ!
兵士A「さぁて、たまにゃパーッと飲み明かすか!」
兵士B「お前の“たまに”は、ほぼ毎日って意味になってるよな!」
兵士C「まったくだ。付き合う身にもなれ」
兵士A「そうだっけか? へっへっへ」
三人の兵士が入ってきた。
触手「うむ」
魔道士「はい……」
赤毛娘「……もう、辛気臭くなっちゃって! パーッと飲もう! ね!?」
オーク「おう、そうだな! 飲みまくろうぜ!」
すると――
バタンッ!
兵士A「さぁて、たまにゃパーッと飲み明かすか!」
兵士B「お前の“たまに”は、ほぼ毎日って意味になってるよな!」
兵士C「まったくだ。付き合う身にもなれ」
兵士A「そうだっけか? へっへっへ」
三人の兵士が入ってきた。
14: 2016/03/24(木) 00:38:47 ID:kfgdsbdE
兵士A「オラ、どけっ! 一番いいとこに座ってんじゃねえよ!」ドカッ
青年「す、すみません……」
兵士B「優しいねぇ、ケリだけで済ませるなんてよ。俺だったら叩き斬ってるとこだぜ」
兵士C「いっそ見せしめのために、腕の一本も斬ってしまうのもいいかもしれん」
青年「すぐ、どきますからっ……!」ササッ
魔道士「な、なんですか、あいつら? いきなり……」
赤毛娘「女騎士さんの“私兵”よ。普段は女騎士さんのお屋敷にいるんだけど、
時々町に来ては、ああやって好き放題するの」
赤毛娘「女主人さんのおかげで、だいぶ抑えられてはいるけどね」
オーク「抑えられてる? どういうこった?」
青年「す、すみません……」
兵士B「優しいねぇ、ケリだけで済ませるなんてよ。俺だったら叩き斬ってるとこだぜ」
兵士C「いっそ見せしめのために、腕の一本も斬ってしまうのもいいかもしれん」
青年「すぐ、どきますからっ……!」ササッ
魔道士「な、なんですか、あいつら? いきなり……」
赤毛娘「女騎士さんの“私兵”よ。普段は女騎士さんのお屋敷にいるんだけど、
時々町に来ては、ああやって好き放題するの」
赤毛娘「女主人さんのおかげで、だいぶ抑えられてはいるけどね」
オーク「抑えられてる? どういうこった?」
15: 2016/03/24(木) 00:42:31 ID:kfgdsbdE
兵士A「おうおうおう、そこのねえちゃん」
赤毛娘「な、なによ」
兵士A「ちょっくらよ~、ビールでも注いでくんねえか? なぁ、いいだろ?」ガシッ
赤毛娘「…………!」
オーク「おい――」ガタッ
兵士A「なんだ?」
赤毛娘がオークたちに「口を出すな」と目で合図を送る。
オーク「う……」スッ…
女主人「ちょいと待った」
女主人「今日のとこはさ、これで勘弁してよ」スッ…
兵士A「へっ……美人店主さんの頼みじゃ、まあしゃーねーか」ピッ
兵士は女主人からなにかを受け取ると、大人しく引き下がった。
赤毛娘「な、なによ」
兵士A「ちょっくらよ~、ビールでも注いでくんねえか? なぁ、いいだろ?」ガシッ
赤毛娘「…………!」
オーク「おい――」ガタッ
兵士A「なんだ?」
赤毛娘がオークたちに「口を出すな」と目で合図を送る。
オーク「う……」スッ…
女主人「ちょいと待った」
女主人「今日のとこはさ、これで勘弁してよ」スッ…
兵士A「へっ……美人店主さんの頼みじゃ、まあしゃーねーか」ピッ
兵士は女主人からなにかを受け取ると、大人しく引き下がった。
16: 2016/03/24(木) 00:45:54 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「あ、ありがとうございました……!」
女主人「気にしなさんなって」
魔道士「今、なにを渡したんでしょう?」
オーク「そりゃあれだ、食いもんだろ」ブヒッ
触手「そんなわけあるか……金だろう」
魔道士「お金を……!?」
触手「金というのは恐ろしい魔力を持つシロモノだ。
凶悪な触手でも、金を握らせると大人しくなるということもある」ウネウネ
魔道士「なるんですか!?」
触手「『触手のうねりも金次第』というだろう?」ウネッ
魔道士「聞いたことないです」
女主人「気にしなさんなって」
魔道士「今、なにを渡したんでしょう?」
オーク「そりゃあれだ、食いもんだろ」ブヒッ
触手「そんなわけあるか……金だろう」
魔道士「お金を……!?」
触手「金というのは恐ろしい魔力を持つシロモノだ。
凶悪な触手でも、金を握らせると大人しくなるということもある」ウネウネ
魔道士「なるんですか!?」
触手「『触手のうねりも金次第』というだろう?」ウネッ
魔道士「聞いたことないです」
17: 2016/03/24(木) 00:48:46 ID:kfgdsbdE
しばらく、酒と雑談を楽しんだオークたち。
オーク「久々に楽しい酒だったぜ。そろそろ出るか」
魔道士「そうれすねぇ~……」ヨロッ…
触手「おいおい、大丈夫か」ガシッ…
魔道士「だいじょぶれぇ~す……ひひっ」
触手「大丈夫ではないようだな」ウネッ
赤毛娘「フフッ、魔道士君はお酒弱いんだ」
オーク「ったく、世話焼かせやがって……ほれ、行くぞ!」グイッ
女主人「転ばないように気をつけてね」
オーク「久々に楽しい酒だったぜ。そろそろ出るか」
魔道士「そうれすねぇ~……」ヨロッ…
触手「おいおい、大丈夫か」ガシッ…
魔道士「だいじょぶれぇ~す……ひひっ」
触手「大丈夫ではないようだな」ウネッ
赤毛娘「フフッ、魔道士君はお酒弱いんだ」
オーク「ったく、世話焼かせやがって……ほれ、行くぞ!」グイッ
女主人「転ばないように気をつけてね」
18: 2016/03/24(木) 00:53:02 ID:kfgdsbdE
< 町 >
外へ出ると、先ほどの兵士たちがまた横暴を働いていた。
商人「ああっ……そんなに売り上げを持っていかれては……」
兵士A「“税”だよ“税”!
俺たちはてめぇらの領主である女騎士様の部下なんだからよ!」
オーク「あの野郎ども、またやってやがる!」
赤毛娘「だけど、今日はまだ軽い方よ。
女主人さんがお金を払ってくれたから、機嫌がいいんでしょうね」
赤毛娘「女主人さんが酒場を開くまでは、
ほとんどいいがかりで殴られて、大ケガした人もいたわ」
魔道士「ひどいれすねぇ……」ヒック
触手「騎士の領地でありながら無法地帯とはな。嘆かわしいことだ」ウネッ
外へ出ると、先ほどの兵士たちがまた横暴を働いていた。
商人「ああっ……そんなに売り上げを持っていかれては……」
兵士A「“税”だよ“税”!
俺たちはてめぇらの領主である女騎士様の部下なんだからよ!」
オーク「あの野郎ども、またやってやがる!」
赤毛娘「だけど、今日はまだ軽い方よ。
女主人さんがお金を払ってくれたから、機嫌がいいんでしょうね」
赤毛娘「女主人さんが酒場を開くまでは、
ほとんどいいがかりで殴られて、大ケガした人もいたわ」
魔道士「ひどいれすねぇ……」ヒック
触手「騎士の領地でありながら無法地帯とはな。嘆かわしいことだ」ウネッ
19: 2016/03/24(木) 00:57:57 ID:kfgdsbdE
オーク「なんならオレが、ヤツらをブッ倒してやろうか?」パキポキ…
魔道士「お、いいれすねぇ」
オーク「あんなクソ兵士どもなんざ、ちょちょいの――」
赤毛娘「やめてっ!」
オーク「へ?」
魔道士「えぇ~……やめちゃうんれすか? やっちゃえばいいのに……」ヒック
触手「…………」ウネ…
赤毛娘「あいつら、ただの乱暴者じゃないわ。ものすごく強いの。
町の腕自慢の人も、あいつらにあっさりボコボコにされちゃったわ」
赤毛娘「それに……たとえばこの町のだれかが逆らったら、
他の治めてる町に“この町で酷い目にあったから”って嫌がらせするの」
赤毛娘「だから下手に反抗すると、とんでもないことになっちゃうのよ」
オーク「マジかよ……なんつう陰険なやり方だ」
赤毛娘「女騎士さんは本当に変わってしまったのよ……」
魔道士「お、いいれすねぇ」
オーク「あんなクソ兵士どもなんざ、ちょちょいの――」
赤毛娘「やめてっ!」
オーク「へ?」
魔道士「えぇ~……やめちゃうんれすか? やっちゃえばいいのに……」ヒック
触手「…………」ウネ…
赤毛娘「あいつら、ただの乱暴者じゃないわ。ものすごく強いの。
町の腕自慢の人も、あいつらにあっさりボコボコにされちゃったわ」
赤毛娘「それに……たとえばこの町のだれかが逆らったら、
他の治めてる町に“この町で酷い目にあったから”って嫌がらせするの」
赤毛娘「だから下手に反抗すると、とんでもないことになっちゃうのよ」
オーク「マジかよ……なんつう陰険なやり方だ」
赤毛娘「女騎士さんは本当に変わってしまったのよ……」
20: 2016/03/24(木) 01:01:19 ID:kfgdsbdE
結局、オークたちは兵士らに手を出すことはしなかった。
赤毛娘「じゃ、今日はありがとね。まだしばらくはこの町にいるんでしょ?
改めて、ちゃんとお礼はさせてもらうから」
赤毛娘「ただし、お金以外でね」ニコッ
スタタッ……
チャームポイントの赤い髪をなびかせ、娘は走り去っていった。
オーク「へっ、最後までちゃっかりした娘だぜ」
魔道士「だけど、あの子の明るさは、みんなの救いになってるはずれすよぉ~、きっと」
オーク「……だな」
触手「さて、我々も宿に戻るとしよう」ウネウネ
赤毛娘「じゃ、今日はありがとね。まだしばらくはこの町にいるんでしょ?
改めて、ちゃんとお礼はさせてもらうから」
赤毛娘「ただし、お金以外でね」ニコッ
スタタッ……
チャームポイントの赤い髪をなびかせ、娘は走り去っていった。
オーク「へっ、最後までちゃっかりした娘だぜ」
魔道士「だけど、あの子の明るさは、みんなの救いになってるはずれすよぉ~、きっと」
オーク「……だな」
触手「さて、我々も宿に戻るとしよう」ウネウネ
21: 2016/03/24(木) 01:06:14 ID:kfgdsbdE
< 宿屋 >
魔道士「…………」
オーク「どうした? やっと酔いが覚めたか?」
魔道士「オークさん、触手さん……この町、どうにか救ってあげることは
できないでしょうか?」
オーク「救うってのはつまり、オレたちがあの兵士どもをブッ飛ばすってことか?」
魔道士「はい……」
オーク「そりゃおめぇ、オレだってあんな兵士ども殴ってやりてぇよ」
オーク「だけどよ、あの娘もいってたけど、
それでひどい目にあうのは結局ここらの人間だぜ?」
触手「うむ、部外者が口を出すことではないな」ウネッ
魔道士「そう……ですけど……」
魔道士「…………」
オーク「どうした? やっと酔いが覚めたか?」
魔道士「オークさん、触手さん……この町、どうにか救ってあげることは
できないでしょうか?」
オーク「救うってのはつまり、オレたちがあの兵士どもをブッ飛ばすってことか?」
魔道士「はい……」
オーク「そりゃおめぇ、オレだってあんな兵士ども殴ってやりてぇよ」
オーク「だけどよ、あの娘もいってたけど、
それでひどい目にあうのは結局ここらの人間だぜ?」
触手「うむ、部外者が口を出すことではないな」ウネッ
魔道士「そう……ですけど……」
23: 2016/03/24(木) 01:10:48 ID:kfgdsbdE
魔道士「ボクは……今の魔法界にはびこる
『魔法は出世のために使うもの』という風潮に嫌気がさし、
学校を飛び出しました」
魔道士「なんの後ろ盾もあてもない放浪生活の中、似たような境遇のお二人に出会い、
今では一緒に旅をしながら仕事をさせてもらってます」
魔道士「そして、今の生活の中で……魔法とは決して強い人に媚びを売ったり、
弱い人を虐げるためのものではない、と分かってきました」
魔道士「だから……こういう時こそ、ボクの魔法を役立てたいんです!
町の人を救いたいんです!」
魔道士「なんとか……なんとかならないでしょうか!?」
オーク「…………」
触手「…………」
三人は、かつて自分たちの巣を飛び出した時のことを思い返していた。
『魔法は出世のために使うもの』という風潮に嫌気がさし、
学校を飛び出しました」
魔道士「なんの後ろ盾もあてもない放浪生活の中、似たような境遇のお二人に出会い、
今では一緒に旅をしながら仕事をさせてもらってます」
魔道士「そして、今の生活の中で……魔法とは決して強い人に媚びを売ったり、
弱い人を虐げるためのものではない、と分かってきました」
魔道士「だから……こういう時こそ、ボクの魔法を役立てたいんです!
町の人を救いたいんです!」
魔道士「なんとか……なんとかならないでしょうか!?」
オーク「…………」
触手「…………」
三人は、かつて自分たちの巣を飛び出した時のことを思い返していた。
24: 2016/03/24(木) 01:14:26 ID:kfgdsbdE
~
『他の種族と仲良く?』 『バカいうなよ!』 『俺たちは戦う種族なんだぜ!?』
オーク『こんだけいってもダメかよ……! じゃあもういいよ!
だったらオレはこんな集落、出ていく!』
『なんだと!?』 『てめぇ!』 『ただで出ていけると思うなよ!』
~
ウネウネ…… ウゾウゾ……
触手(暗い森の中で、仲間とともにひっそりと獲物を待ち続ける日々……。
私はもっとちがう生き方をしたい! 日なたに出たい!)
触手『私はもう……こんなじめじめした生活はまっぴらだ!』ウネリッ
~
教師『魔法を世の中のために役立てる? 愚か者め、下らんことをほざくな!
魔法は道具だ! 立身出世のための道具なのだ!』
魔道士『…………』
魔道士『だったらボクは……この学校を辞めます!』
教師『そんな勝手を許すと思うか? 懲罰房に叩き込んでくれる!』
~
『他の種族と仲良く?』 『バカいうなよ!』 『俺たちは戦う種族なんだぜ!?』
オーク『こんだけいってもダメかよ……! じゃあもういいよ!
だったらオレはこんな集落、出ていく!』
『なんだと!?』 『てめぇ!』 『ただで出ていけると思うなよ!』
~
ウネウネ…… ウゾウゾ……
触手(暗い森の中で、仲間とともにひっそりと獲物を待ち続ける日々……。
私はもっとちがう生き方をしたい! 日なたに出たい!)
触手『私はもう……こんなじめじめした生活はまっぴらだ!』ウネリッ
~
教師『魔法を世の中のために役立てる? 愚か者め、下らんことをほざくな!
魔法は道具だ! 立身出世のための道具なのだ!』
魔道士『…………』
魔道士『だったらボクは……この学校を辞めます!』
教師『そんな勝手を許すと思うか? 懲罰房に叩き込んでくれる!』
~
25: 2016/03/24(木) 01:18:23 ID:kfgdsbdE
オーク「…………」グッ…
オーク「オレだってなんとかしてえよ! でも、どうにもなんねぇだろうが!
もしオレらがしくじったら、この町はさらにひでえことになるんだぞ!」
魔道士「そう……ですけど……!」
触手「…………」ウネ…
触手「いや……方法はあるかもしれん」
魔道士「ホ、ホントですか!?」
オーク「マジかよ!?」
触手「耳を貸せ」クイックイッ
………………
…………
……
オーク「オレだってなんとかしてえよ! でも、どうにもなんねぇだろうが!
もしオレらがしくじったら、この町はさらにひでえことになるんだぞ!」
魔道士「そう……ですけど……!」
触手「…………」ウネ…
触手「いや……方法はあるかもしれん」
魔道士「ホ、ホントですか!?」
オーク「マジかよ!?」
触手「耳を貸せ」クイックイッ
………………
…………
……
26: 2016/03/24(木) 01:22:01 ID:kfgdsbdE
翌日――
< 町 >
町をぶらつく三人組のもとに、赤毛娘がやってきた。
赤毛娘「あ~ら、こんにちは! ヒマそうでなによりね!」
魔道士「こんにちは!」
オーク「ヒマそう、は余計だっつうの」
赤毛娘「じゃあ、肥満そう」
オーク「オレのガタイは肥満じゃなくて筋肉だ! 脂肪もちょっとはついてるけど……」
触手「買い物カゴを持ってるが、ショッピングか?」ウネウネ
赤毛娘「ほら、掃除のお礼はちゃんとするっていったでしょ?
だから、今日は手料理を振るまおうかと思って!」
オーク「マジかよ!?」
オーク「部屋は汚いわ、金にも汚いわで、ひっでえ娘だと思ってたが、
少しはいいとこもあんじゃねえか!」
赤毛娘「でしょ~? 少しはいいとこもあんのよ、あたし」
魔道士(すごい会話だ……)
< 町 >
町をぶらつく三人組のもとに、赤毛娘がやってきた。
赤毛娘「あ~ら、こんにちは! ヒマそうでなによりね!」
魔道士「こんにちは!」
オーク「ヒマそう、は余計だっつうの」
赤毛娘「じゃあ、肥満そう」
オーク「オレのガタイは肥満じゃなくて筋肉だ! 脂肪もちょっとはついてるけど……」
触手「買い物カゴを持ってるが、ショッピングか?」ウネウネ
赤毛娘「ほら、掃除のお礼はちゃんとするっていったでしょ?
だから、今日は手料理を振るまおうかと思って!」
オーク「マジかよ!?」
オーク「部屋は汚いわ、金にも汚いわで、ひっでえ娘だと思ってたが、
少しはいいとこもあんじゃねえか!」
赤毛娘「でしょ~? 少しはいいとこもあんのよ、あたし」
魔道士(すごい会話だ……)
27: 2016/03/24(木) 01:26:33 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「いっとくけど、あたし料理には自信あるからね」
オーク「ホントかよぉ?」
赤毛娘「ホントホント。材料買ってくるから、あとであたしの家に来てくれない?」
魔道士「分かりました!」
オーク「楽しみにしてるぜ! おっと、口直しできるもんも持ってかないとな!」ブヒッ
魔道士「オークさん!」
触手「…………」ウネ…
物陰には――
兵士A「おい、見ろよ。昨日の娘だぜ」
兵士B「昨日は見逃してやったが……やっぱり味見ぐらいしときてえよな」
兵士C「ならば捕えて、ムリヤリ屋敷まで連れ帰るのがよかろう」
兵士A「それが手っ取り早いな、そうするか!」
オーク「ホントかよぉ?」
赤毛娘「ホントホント。材料買ってくるから、あとであたしの家に来てくれない?」
魔道士「分かりました!」
オーク「楽しみにしてるぜ! おっと、口直しできるもんも持ってかないとな!」ブヒッ
魔道士「オークさん!」
触手「…………」ウネ…
物陰には――
兵士A「おい、見ろよ。昨日の娘だぜ」
兵士B「昨日は見逃してやったが……やっぱり味見ぐらいしときてえよな」
兵士C「ならば捕えて、ムリヤリ屋敷まで連れ帰るのがよかろう」
兵士A「それが手っ取り早いな、そうするか!」
28: 2016/03/24(木) 01:30:21 ID:kfgdsbdE
< 商店街 >
赤毛娘「これでよし、と!」
赤毛娘(さて、家に――)
赤毛娘「!」
赤毛娘を待ちかまえていたのは、昨日の兵士三人組。
兵士A「へっへっへ、ちょっと付き合ってもらおうか?
なぁに心配すんな。気持ちいいことしてもらうだけだからよ」
ガシッ!
赤毛娘「は、はなして! なにすんの!」
兵士A「いいから来いよ!」グイッ
白昼堂々の誘拐劇。
にもかかわらず、町の人間にはどうすることもできない。
なぜなら私兵に歯向かうことは、『伝説の女騎士』と敵対することを意味する。
すなわち、町の寿命を縮めることを意味するのだから。
赤毛娘「これでよし、と!」
赤毛娘(さて、家に――)
赤毛娘「!」
赤毛娘を待ちかまえていたのは、昨日の兵士三人組。
兵士A「へっへっへ、ちょっと付き合ってもらおうか?
なぁに心配すんな。気持ちいいことしてもらうだけだからよ」
ガシッ!
赤毛娘「は、はなして! なにすんの!」
兵士A「いいから来いよ!」グイッ
白昼堂々の誘拐劇。
にもかかわらず、町の人間にはどうすることもできない。
なぜなら私兵に歯向かうことは、『伝説の女騎士』と敵対することを意味する。
すなわち、町の寿命を縮めることを意味するのだから。
29: 2016/03/24(木) 01:36:07 ID:kfgdsbdE
同じく、商店街で買い出しをしていた女主人。
女主人「――――!」ハッ
女主人「ちょっと! なにしてるんだよ!」
兵士A「お? おおアンタか。いつも世話になってるな」
女主人「金は払う! とっととその娘をはなしな!」
兵士A「そりゃ、できねえなぁ」ニヤニヤ…
兵士B「俺たち、もう収まらねえのよ。金なんかじゃな」
兵士C「いっておくが……止めようなどと思わないことだ。
女騎士様を敵に回すことになるのだからな」
女主人「くっ……!」
赤毛娘「あ、あたしは大丈夫……! だから気にしないで……!」
兵士A「へっ、ようやく覚悟が決まったようだな! オラ、来いや!」グイッ
女主人(今までは酒や金でご機嫌とってりゃなんとかなったってのに……!
どうすれば……!)
女主人「――――!」ハッ
女主人「ちょっと! なにしてるんだよ!」
兵士A「お? おおアンタか。いつも世話になってるな」
女主人「金は払う! とっととその娘をはなしな!」
兵士A「そりゃ、できねえなぁ」ニヤニヤ…
兵士B「俺たち、もう収まらねえのよ。金なんかじゃな」
兵士C「いっておくが……止めようなどと思わないことだ。
女騎士様を敵に回すことになるのだからな」
女主人「くっ……!」
赤毛娘「あ、あたしは大丈夫……! だから気にしないで……!」
兵士A「へっ、ようやく覚悟が決まったようだな! オラ、来いや!」グイッ
女主人(今までは酒や金でご機嫌とってりゃなんとかなったってのに……!
どうすれば……!)
30: 2016/03/24(木) 01:38:40 ID:kfgdsbdE
オーク「待ちな」ズンッ
魔道士「待って下さい!」ザッ
触手「…………」ウネ…
兵士たちの前に立ちはだかったのは、オークたち三人組。
兵士A「てめぇら、なんの用だ?」
オーク「決まってんだろ? その女を取り返しにきたんだよ」
魔道士「さすが触手さん、よくあの兵士たちの気配に気づきましたね?」ボソッ
触手「私は振動に敏感だからな。それに一度覚えた“歩き方”は忘れん」ボソッ
魔道士「待って下さい!」ザッ
触手「…………」ウネ…
兵士たちの前に立ちはだかったのは、オークたち三人組。
兵士A「てめぇら、なんの用だ?」
オーク「決まってんだろ? その女を取り返しにきたんだよ」
魔道士「さすが触手さん、よくあの兵士たちの気配に気づきましたね?」ボソッ
触手「私は振動に敏感だからな。それに一度覚えた“歩き方”は忘れん」ボソッ
31: 2016/03/24(木) 01:42:56 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「ダ、ダメッ……!」
兵士A「おい、ブタ野郎……。魔物の分際で、人間サマに逆らおうってのか?
そうか、町の奴らに雇われたんだな?」
オーク「雇われたぁ? 勘違いすんなよ。
オレらはな、今日からこの町を乗っ取ることにしたのさ!」ビシッ
兵士A「へ!?」
赤毛娘(え!?)
オーク「その娘で遊ぶのはオレらだ! ブヒブヒいわせてやるぜ!」
触手「私もその娘をなぶりたくてたまらん。『触手、色を好む』というしな」ウネウネ
魔道士「赤毛娘さんに……魔法でエ、エOチなことを……しまくってやるのさ!」
兵士B「なんだとぉ!?」
兵士C「なるほど……町の味方ではなく、とんだ悪党どもだったようだ」
兵士A「ほぉう、おもしれえ。だが、勉強不足だったようだな。
俺たちは女騎士様直属の兵隊! てめぇらなんか一瞬で――」
ドゴンッ!
オークのパンチが、しゃべっている兵士の顔面にめり込んだ。
兵士A「おい、ブタ野郎……。魔物の分際で、人間サマに逆らおうってのか?
そうか、町の奴らに雇われたんだな?」
オーク「雇われたぁ? 勘違いすんなよ。
オレらはな、今日からこの町を乗っ取ることにしたのさ!」ビシッ
兵士A「へ!?」
赤毛娘(え!?)
オーク「その娘で遊ぶのはオレらだ! ブヒブヒいわせてやるぜ!」
触手「私もその娘をなぶりたくてたまらん。『触手、色を好む』というしな」ウネウネ
魔道士「赤毛娘さんに……魔法でエ、エOチなことを……しまくってやるのさ!」
兵士B「なんだとぉ!?」
兵士C「なるほど……町の味方ではなく、とんだ悪党どもだったようだ」
兵士A「ほぉう、おもしれえ。だが、勉強不足だったようだな。
俺たちは女騎士様直属の兵隊! てめぇらなんか一瞬で――」
ドゴンッ!
オークのパンチが、しゃべっている兵士の顔面にめり込んだ。
32: 2016/03/24(木) 01:46:13 ID:kfgdsbdE
兵士A「ぎゃふぅっ……!」ドサッ…
殴られた兵士は一撃でのびてしまった。
オーク「ふん、こんなもんかよ。ちょろいぜ」ブヒッ
兵士B&C「!」
兵士C「少しはできるようだ……始末するぞ」チャキッ
兵士B「おう!」チャキッ
残る二人も、ほとんど動揺なく襲いかかってくるが――
殴られた兵士は一撃でのびてしまった。
オーク「ふん、こんなもんかよ。ちょろいぜ」ブヒッ
兵士B&C「!」
兵士C「少しはできるようだ……始末するぞ」チャキッ
兵士B「おう!」チャキッ
残る二人も、ほとんど動揺なく襲いかかってくるが――
33: 2016/03/24(木) 01:49:24 ID:kfgdsbdE
魔道士「雷よ! 落ちろ!」
ピッシャァンッ!
兵士B「ぎゃあああああっ!」
一人は雷に打たれ――
触手「触手拳法、触手百烈拳!」シュババババババッ
ズドドドドドドッ!
兵士C「ぐげあぁぁっ……!」
もう一人は全身を触手で突かれた。
ピッシャァンッ!
兵士B「ぎゃあああああっ!」
一人は雷に打たれ――
触手「触手拳法、触手百烈拳!」シュババババババッ
ズドドドドドドッ!
兵士C「ぐげあぁぁっ……!」
もう一人は全身を触手で突かれた。
34: 2016/03/24(木) 01:52:44 ID:kfgdsbdE
兵士A「ぢ、ぢくじょう……! 女騎士様に報告だ!」スタタッ
あっさりと三人の兵士を撃退したオークたち。
オーク「ぐへへへ……ざまあねえぜ!」
魔道士「あのう……いっつも思ってることなんですけど、
触手さんのアレって“拳法”ではないんじゃ?」
触手「触“手”がやってるんだから、“拳”法でいいんだ」ウネ…
魔道士「はぁ……」
赤毛娘(すっごい……! 女騎士さんの兵士たちをあっさり……!)
あっさりと三人の兵士を撃退したオークたち。
オーク「ぐへへへ……ざまあねえぜ!」
魔道士「あのう……いっつも思ってることなんですけど、
触手さんのアレって“拳法”ではないんじゃ?」
触手「触“手”がやってるんだから、“拳”法でいいんだ」ウネ…
魔道士「はぁ……」
赤毛娘(すっごい……! 女騎士さんの兵士たちをあっさり……!)
35: 2016/03/24(木) 01:56:26 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「でも、あんなことしたらまずいって! あなたたち、早く町から逃げて!」
オーク「逃げる? なんで逃げなきゃならねえんだ」
赤毛娘「だって……あの兵士たち、女騎士さんに報告するって!」
オーク「ふん、望むところだぜ。なぜなら――」
オーク「女騎士は」
触手「我々が」
魔道士「倒します!」
オーク「――ってことだ! どうだ、決まっただろ?」
触手「宿屋で何度も練習したかいがあったな」ウネッ
魔道士「隣の部屋の人に“うるせーぞ!”って怒られましたけどね」
赤毛娘「うう……なんだかよく分からないけど、すごい迫力だったわ……!」
オーク「逃げる? なんで逃げなきゃならねえんだ」
赤毛娘「だって……あの兵士たち、女騎士さんに報告するって!」
オーク「ふん、望むところだぜ。なぜなら――」
オーク「女騎士は」
触手「我々が」
魔道士「倒します!」
オーク「――ってことだ! どうだ、決まっただろ?」
触手「宿屋で何度も練習したかいがあったな」ウネッ
魔道士「隣の部屋の人に“うるせーぞ!”って怒られましたけどね」
赤毛娘「うう……なんだかよく分からないけど、すごい迫力だったわ……!」
36: 2016/03/24(木) 02:00:51 ID:kfgdsbdE
赤毛娘「あなたたち……何者なの? ただの便利屋さんじゃなかったの?」
オーク「よくぞ聞いてくれた! オレたちゃ、
ボディガードから用心棒までなんでもこなす、三人組よ!」
赤毛娘「なんでもにしちゃずいぶん狭いけど」
オーク「うぐっ! ミスっちまった……。清掃から用心棒でお願いします……」
女主人「……アンタたちが只者じゃないことは分かってたけどね」
赤毛娘「女主人さん、どうして?」
女主人「オーク集落も、触手群生地も、そして魔法学校も――
方針に従わない『去る者は叩き潰す』ってとこは共通してる」
女主人「それなりの腕がなきゃ、この三人みたいな自由人にはなれないさ」
赤毛娘「はぁ~……なるほど」
赤毛娘「でもさ、なんであなたたち、この町を乗っ取るなんていったの?
あれ、ウソでしょ?」
オーク「決まってんだろ? もしオレらがしくじっても、
この町の住民のせいにならないようにするためだよ」
赤毛娘「あ……ちゃんと考えてくれてたんだ。やるぅ!」
オーク「よくぞ聞いてくれた! オレたちゃ、
ボディガードから用心棒までなんでもこなす、三人組よ!」
赤毛娘「なんでもにしちゃずいぶん狭いけど」
オーク「うぐっ! ミスっちまった……。清掃から用心棒でお願いします……」
女主人「……アンタたちが只者じゃないことは分かってたけどね」
赤毛娘「女主人さん、どうして?」
女主人「オーク集落も、触手群生地も、そして魔法学校も――
方針に従わない『去る者は叩き潰す』ってとこは共通してる」
女主人「それなりの腕がなきゃ、この三人みたいな自由人にはなれないさ」
赤毛娘「はぁ~……なるほど」
赤毛娘「でもさ、なんであなたたち、この町を乗っ取るなんていったの?
あれ、ウソでしょ?」
オーク「決まってんだろ? もしオレらがしくじっても、
この町の住民のせいにならないようにするためだよ」
赤毛娘「あ……ちゃんと考えてくれてたんだ。やるぅ!」
37: 2016/03/24(木) 02:03:53 ID:kfgdsbdE
オーク「ああいっときゃ、女騎士の標的はオレたちだけになる!
町に責任が及ぶことを気にせずケンカを売れるってわけだ!」
魔道士「これは触手さんのアイディアなんですよ」
触手「魔道士、お前はだいぶ演技がぎこちなかったがな」ツンツン
魔道士「す、すみません! こういうの初めてだったんで……」
赤毛娘「あたしたちのために……ありがとう!」
女主人「やるねえ、アンタたち!」
町に責任が及ぶことを気にせずケンカを売れるってわけだ!」
魔道士「これは触手さんのアイディアなんですよ」
触手「魔道士、お前はだいぶ演技がぎこちなかったがな」ツンツン
魔道士「す、すみません! こういうの初めてだったんで……」
赤毛娘「あたしたちのために……ありがとう!」
女主人「やるねえ、アンタたち!」
38: 2016/03/24(木) 02:09:51 ID:kfgdsbdE
ザワザワ…… ドヨドヨ……
喜び半分、戸惑い半分の住民たちにオークが呼びかける。
オーク「いいか!」
オーク「これからオレたちは“町の平和を脅かす悪党”として、女騎士どもと戦う!」
オーク「だから、オレたちに肩入れするような発言は絶対すんなよ!
オレたち一世一代の大芝居が、全部猿芝居になっちまうからな!」
触手「ブタ芝居じゃないのか?」ウネウネ
赤毛娘「ぶふっ!」
オーク「もう! せっかくのカッコイイ場面が台無しじゃねえか!」ブヒッ
ハハハ…… クスクス……
オーク「戦いは久々だからな、気合入れてくぜ!」
触手「うむ」ウネッ
魔道士「はいっ!」
喜び半分、戸惑い半分の住民たちにオークが呼びかける。
オーク「いいか!」
オーク「これからオレたちは“町の平和を脅かす悪党”として、女騎士どもと戦う!」
オーク「だから、オレたちに肩入れするような発言は絶対すんなよ!
オレたち一世一代の大芝居が、全部猿芝居になっちまうからな!」
触手「ブタ芝居じゃないのか?」ウネウネ
赤毛娘「ぶふっ!」
オーク「もう! せっかくのカッコイイ場面が台無しじゃねえか!」ブヒッ
ハハハ…… クスクス……
オーク「戦いは久々だからな、気合入れてくぜ!」
触手「うむ」ウネッ
魔道士「はいっ!」
39: 2016/03/24(木) 02:13:36 ID:kfgdsbdE
< 女騎士の屋敷 >
女騎士に敗北の報告をする兵士たち。
女騎士「ほう……この私の領地である、あの町を乗っ取ると」
兵士A「は、はい……我々ではとても歯が立ちませんでした……」
女騎士「フ、フフ……クククッ……」
不気味に笑う女騎士に、兵士たちの顔が青ざめる。
彼らとて、女騎士が恐ろしいのだ。
女騎士「オークに触手、魔道士のトリオとは……そそられるではないか。
あいつらとどっちが上かな……?」
兵士A「は?」
女騎士「……いや、なんでもない。すぐに討伐の準備を整えよう」
兵士A「ははっ! お聞き届け下さり、ありがとうございます!」
女騎士に敗北の報告をする兵士たち。
女騎士「ほう……この私の領地である、あの町を乗っ取ると」
兵士A「は、はい……我々ではとても歯が立ちませんでした……」
女騎士「フ、フフ……クククッ……」
不気味に笑う女騎士に、兵士たちの顔が青ざめる。
彼らとて、女騎士が恐ろしいのだ。
女騎士「オークに触手、魔道士のトリオとは……そそられるではないか。
あいつらとどっちが上かな……?」
兵士A「は?」
女騎士「……いや、なんでもない。すぐに討伐の準備を整えよう」
兵士A「ははっ! お聞き届け下さり、ありがとうございます!」
40: 2016/03/24(木) 02:21:10 ID:kfgdsbdE
女騎士「しかし……」
女騎士「出陣の前に、私の手をわずらわせる役立たずの始末はしておかねばな」チャキッ
兵士A「え……!?」
兵士B「そ、そんなっ!」
兵士C「ま、待ってくださ――」
ザシュッ! ズシャッ! ザンッ!
三つの屍と赤く染まった剣。女騎士が笑う。
女騎士「フフフ、久々に楽しめそうだ……」
女騎士「出陣の前に、私の手をわずらわせる役立たずの始末はしておかねばな」チャキッ
兵士A「え……!?」
兵士B「そ、そんなっ!」
兵士C「ま、待ってくださ――」
ザシュッ! ズシャッ! ザンッ!
三つの屍と赤く染まった剣。女騎士が笑う。
女騎士「フフフ、久々に楽しめそうだ……」
45: 2016/03/25(金) 01:41:36 ID:fSARKG8k
オークらの宣戦布告から、約一時間後――
< 町 >
50人の兵士を率いて、女騎士がやってきた。
ズラッ……
女騎士「キサマらが、この町を乗っ取ろうという無法者三人組か」
オーク「おうよ! ド田舎だが、オレらの拠点にするにゃ、ちょうどいいからな」
触手「しかも、いい女もたくさんいる……退屈しそうにないのでな」ウネッ
魔道士「この町は……ボクたちのものです! みんな、奴隷にしちゃいます!」
女騎士「フッ、流れ者にしては威勢がいい」
赤毛娘(三人ともノリノリね。魔道士君はちょっとぎこちないけど……)
< 町 >
50人の兵士を率いて、女騎士がやってきた。
ズラッ……
女騎士「キサマらが、この町を乗っ取ろうという無法者三人組か」
オーク「おうよ! ド田舎だが、オレらの拠点にするにゃ、ちょうどいいからな」
触手「しかも、いい女もたくさんいる……退屈しそうにないのでな」ウネッ
魔道士「この町は……ボクたちのものです! みんな、奴隷にしちゃいます!」
女騎士「フッ、流れ者にしては威勢がいい」
赤毛娘(三人ともノリノリね。魔道士君はちょっとぎこちないけど……)
46: 2016/03/25(金) 01:45:25 ID:fSARKG8k
女騎士「それにしても、オーク、触手、魔道士とは……
これはこれは……奇遇というべきか。面白い組み合わせだな」
オーク「?」
女騎士「どうだ? 私への絶対服従を誓うのであれば、
末席で仲間に加えてやってもいいぞ」
女騎士「私はな、こんな辺境の領主で満足するつもりなど毛頭ない」
女騎士「権力も、武力も、領地も、もっともっと充実させたいと思っている。
種族や身分は問わん。お前たちのような無頼者も大歓迎だ」
オーク「なぁ~にいってやがんだ、この女。なぁ?」
触手「我々とて、仕える相手は選びたい」ウネリ…
魔道士「あなたみたいな人に仕えるなんて、まっぴらですよ!」
オーク「――ってことだ。お前なんかの下につくくらいなら、
荷馬車に乗せられて、可愛い子豚として市場に売られた方がマシだぜ!」ビシッ
女騎士「!」ピクッ…
女騎士の顔がみるみるうちに怒りを帯びる。
これはこれは……奇遇というべきか。面白い組み合わせだな」
オーク「?」
女騎士「どうだ? 私への絶対服従を誓うのであれば、
末席で仲間に加えてやってもいいぞ」
女騎士「私はな、こんな辺境の領主で満足するつもりなど毛頭ない」
女騎士「権力も、武力も、領地も、もっともっと充実させたいと思っている。
種族や身分は問わん。お前たちのような無頼者も大歓迎だ」
オーク「なぁ~にいってやがんだ、この女。なぁ?」
触手「我々とて、仕える相手は選びたい」ウネリ…
魔道士「あなたみたいな人に仕えるなんて、まっぴらですよ!」
オーク「――ってことだ。お前なんかの下につくくらいなら、
荷馬車に乗せられて、可愛い子豚として市場に売られた方がマシだぜ!」ビシッ
女騎士「!」ピクッ…
女騎士の顔がみるみるうちに怒りを帯びる。
47: 2016/03/25(金) 01:48:16 ID:fSARKG8k
女騎士「くっ……殺せぇっ!」バッ
ウオオォォォォォ……!
号令と同時にオークたちめがけ、私兵軍団が突撃する。
赤毛娘(ああっ、ついに始まっちゃった!)
女主人(女騎士の兵は数は多くないが、質は悪くない。決して楽な相手じゃないよ……)
ウオオォォォォォ……!
号令と同時にオークたちめがけ、私兵軍団が突撃する。
赤毛娘(ああっ、ついに始まっちゃった!)
女主人(女騎士の兵は数は多くないが、質は悪くない。決して楽な相手じゃないよ……)
48: 2016/03/25(金) 01:52:41 ID:fSARKG8k
オーク「えぇ~と、50人だから……一人につき10人倒せばいいわけだな?」
触手「全然ちがう。16.7人だ」ウネッ
オーク「0.7はどうすんだよ。バラバラにすんのか?」
魔道士「ちょっとちょっと! グロイ話はやめましょうよ!
だいたい17人倒せばいいんですよ!」
オーク「17か……多くねえか? オークだけに」
触手「構えろ。来るぞ」ウネッ
魔道士「はい!」サッ
オーク「多くねえか? オークだけに」
触手&魔道士(絶対突っ込まない)
「女騎士様に盾突くとはバカな奴らだ!」 「ブッ殺せ!」 「やっちまえぇ!」
触手「全然ちがう。16.7人だ」ウネッ
オーク「0.7はどうすんだよ。バラバラにすんのか?」
魔道士「ちょっとちょっと! グロイ話はやめましょうよ!
だいたい17人倒せばいいんですよ!」
オーク「17か……多くねえか? オークだけに」
触手「構えろ。来るぞ」ウネッ
魔道士「はい!」サッ
オーク「多くねえか? オークだけに」
触手&魔道士(絶対突っ込まない)
「女騎士様に盾突くとはバカな奴らだ!」 「ブッ殺せ!」 「やっちまえぇ!」
49: 2016/03/25(金) 01:55:07 ID:fSARKG8k
オーク「突っ込まれねぇなら、突っ込んでやらぁ! ぬぅぅぅ……!」ムキムキッ
オークの太い右腕が、さらなる隆起を見せる。
オーク「オークラリアットォ!!!」
ドゴォンッ!!!
一撃で、兵士数人が軽々と吹っ飛んだ。
「うおおっ!?」 「なんて怪力だ!」 「ほ、他の二人を狙え!」
続いて、兵士数人が触手に向かって突っ込んでいくが――
触手「オークの馬鹿力に恐れをなし、非力そうな私に向かってくるか……。
気持ちは分かるがな……」ウネウネ
触手「触手系の魔物に、真正面から斬りかかるというのは感心せんな」
触手「それこそ『飛んで触手に入る夏の虫』というやつだ」ウネッ
オークの太い右腕が、さらなる隆起を見せる。
オーク「オークラリアットォ!!!」
ドゴォンッ!!!
一撃で、兵士数人が軽々と吹っ飛んだ。
「うおおっ!?」 「なんて怪力だ!」 「ほ、他の二人を狙え!」
続いて、兵士数人が触手に向かって突っ込んでいくが――
触手「オークの馬鹿力に恐れをなし、非力そうな私に向かってくるか……。
気持ちは分かるがな……」ウネウネ
触手「触手系の魔物に、真正面から斬りかかるというのは感心せんな」
触手「それこそ『飛んで触手に入る夏の虫』というやつだ」ウネッ
50: 2016/03/25(金) 01:57:46 ID:fSARKG8k
触手「触手拳法、触手乱舞ッ!」
シュバババババッ!
ギャァァァァ……!
無数の触手から放射状に繰り出される突きが、次々と兵士たちを昏倒させる。
「こいつもつええ!」 「だったらあの魔法使いだ!」 「あの小僧ならやれる!」
オークも触手も手強いと分かり、兵士たちの矛先が魔道士に向く。
魔道士「当然こうなりますよね……。まいったなぁ……」
シュバババババッ!
ギャァァァァ……!
無数の触手から放射状に繰り出される突きが、次々と兵士たちを昏倒させる。
「こいつもつええ!」 「だったらあの魔法使いだ!」 「あの小僧ならやれる!」
オークも触手も手強いと分かり、兵士たちの矛先が魔道士に向く。
魔道士「当然こうなりますよね……。まいったなぁ……」
51: 2016/03/25(金) 02:00:54 ID:fSARKG8k
魔道士「炎よ! 風よ! 雷よ!」
ボワァッ! ビュアァッ! バリバリッ!
「あっちぃぃぃ!」ボワァッ 「うわぁぁぁっ!」ビュオッ 「あばばばばっ!」バチバチッ
各属性の魔法を器用に繰り出し、兵士たちを倒していく。
魔道士「――よし! 絶好調!」シュゥゥ…
オーク&触手「…………」
オーク「なんつうかさ、フツーだな」
触手「ああ、普通すぎる」
魔道士「え?」
オーク「もうちょっとこう……ねぇ?
見てる人も楽しめる、バラエティ豊かな倒し方をしてくれないと」
魔道士「た、たとえば……?」
触手「尻から魔法を出す、とか」ウネッ
魔道士「イヤですよ! しばらくトイレが大変になっちゃうし!」
オーク&触手(え、やったことあるの!?)
ボワァッ! ビュアァッ! バリバリッ!
「あっちぃぃぃ!」ボワァッ 「うわぁぁぁっ!」ビュオッ 「あばばばばっ!」バチバチッ
各属性の魔法を器用に繰り出し、兵士たちを倒していく。
魔道士「――よし! 絶好調!」シュゥゥ…
オーク&触手「…………」
オーク「なんつうかさ、フツーだな」
触手「ああ、普通すぎる」
魔道士「え?」
オーク「もうちょっとこう……ねぇ?
見てる人も楽しめる、バラエティ豊かな倒し方をしてくれないと」
魔道士「た、たとえば……?」
触手「尻から魔法を出す、とか」ウネッ
魔道士「イヤですよ! しばらくトイレが大変になっちゃうし!」
オーク&触手(え、やったことあるの!?)
52: 2016/03/25(金) 02:04:09 ID:fSARKG8k
ザワザワ…… ドヨドヨ……
赤毛娘「す、すっごぉ~い!」
女主人「ああ、やるもんじゃないか。
オークの最初のラリアットがよかったんだろうね」
青年「あのパワフルな一撃が、敵の出鼻をくじいたってことですね!」
女主人「そういうことだね」
女主人(だけど……あの女騎士もそうヤワなもんじゃない。
直接出向いてきたってことは、さらなる“切り札”を持ってるはず!)
女主人(それが片付くまでは、安心できないね……)
女騎士「…………」
赤毛娘「す、すっごぉ~い!」
女主人「ああ、やるもんじゃないか。
オークの最初のラリアットがよかったんだろうね」
青年「あのパワフルな一撃が、敵の出鼻をくじいたってことですね!」
女主人「そういうことだね」
女主人(だけど……あの女騎士もそうヤワなもんじゃない。
直接出向いてきたってことは、さらなる“切り札”を持ってるはず!)
女主人(それが片付くまでは、安心できないね……)
女騎士「…………」
53: 2016/03/25(金) 02:07:31 ID:fSARKG8k
オーク「オークスープレックス!」グオンッ
ドゴォン!!!
兵士D「ぐべぁっ!」
触手「触手拳法……くすぐり」モゾモゾ…
兵士E「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! あへぇ……」ビクンビクン
魔道士「水よ、敵を撃ち抜け!」
バシュゥゥゥゥ!
兵士F「あぎゃあっ!」
ついにオークたちは、女騎士の兵士50人を倒してみせた。
ドゴォン!!!
兵士D「ぐべぁっ!」
触手「触手拳法……くすぐり」モゾモゾ…
兵士E「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! あへぇ……」ビクンビクン
魔道士「水よ、敵を撃ち抜け!」
バシュゥゥゥゥ!
兵士F「あぎゃあっ!」
ついにオークたちは、女騎士の兵士50人を倒してみせた。
54: 2016/03/25(金) 02:12:46 ID:fSARKG8k
オーク「ぐへへへ……残るはアンタだけだな! 女騎士!」
女騎士「…………」
オーク「どうした? 三対一でオレらと戦うか、降参するか、とっとと選べや」
女騎士「最後にもう一度だけ聞いておこう」
女騎士「私の配下になる気はないか? キサマらほどの強さの者なら、私も歓迎するぞ」
オーク「だれがなるか、バカ女!」
触手「答えはもちろん――」
魔道士「ノーに決まってる!」
女騎士の目に暗い光が灯る。
女騎士「そうか、残念だ。ならば……」パチンッ
女騎士が指を鳴らす。すると――
ズオオオッ!!!
女騎士「…………」
オーク「どうした? 三対一でオレらと戦うか、降参するか、とっとと選べや」
女騎士「最後にもう一度だけ聞いておこう」
女騎士「私の配下になる気はないか? キサマらほどの強さの者なら、私も歓迎するぞ」
オーク「だれがなるか、バカ女!」
触手「答えはもちろん――」
魔道士「ノーに決まってる!」
女騎士の目に暗い光が灯る。
女騎士「そうか、残念だ。ならば……」パチンッ
女騎士が指を鳴らす。すると――
ズオオオッ!!!
55: 2016/03/25(金) 02:16:47 ID:fSARKG8k
女騎士を囲むように三つの魔法陣が現れ、それぞれから――
ズゴゴゴゴゴ……!
黒オーク「ぶひゃひゃひゃ、お呼びっすか、女騎士さん」ズシンッ
毒触手「やっと出番ですかぁ~、待ちくたびれちゃいましたよぉ~」グネグネ…
闇魔道士「我が闇の魔力は、犠牲者を求めてうずうずしておりますよ」ズォォ…
黒い皮膚のオーク、毒々しい紫色の触手、不気味なローブの魔道士が召喚された。
オーク「な、なんだこいつら!?」
触手「我々と似ているが――」
魔道士「ちょっとちがう!」
ズゴゴゴゴゴ……!
黒オーク「ぶひゃひゃひゃ、お呼びっすか、女騎士さん」ズシンッ
毒触手「やっと出番ですかぁ~、待ちくたびれちゃいましたよぉ~」グネグネ…
闇魔道士「我が闇の魔力は、犠牲者を求めてうずうずしておりますよ」ズォォ…
黒い皮膚のオーク、毒々しい紫色の触手、不気味なローブの魔道士が召喚された。
オーク「な、なんだこいつら!?」
触手「我々と似ているが――」
魔道士「ちょっとちがう!」
56: 2016/03/25(金) 02:19:42 ID:fSARKG8k
女騎士「紹介してやろう」
女騎士「この三名はな、異国にて抜群の悪名を誇っていた三人組だ。
かえって犠牲者が増えるという判断で、賞金首にすらされなかったほどだ」
女騎士「今や各国政府に追われる身だが、私が密かに目をつけ、かくまっていたのだ」
女騎士「なるべくなら、表に出したくない存在なのだが……
今回ばかりは仕方あるまい」
女騎士「それに、こいつらも屋敷で大人しくしているのに飽きてきた頃だったしな。
たまにはガス抜きさせてやらんと気の毒だ」
黒オーク「ぶひょひょ~、ありがとうございます!」
毒触手「イヒヒ、久々に頃しを楽しめるってもんです」グネグネ
闇魔道士「我が闇魔法の威力……たっぷりとお見せしましょう」
女騎士「この三名はな、異国にて抜群の悪名を誇っていた三人組だ。
かえって犠牲者が増えるという判断で、賞金首にすらされなかったほどだ」
女騎士「今や各国政府に追われる身だが、私が密かに目をつけ、かくまっていたのだ」
女騎士「なるべくなら、表に出したくない存在なのだが……
今回ばかりは仕方あるまい」
女騎士「それに、こいつらも屋敷で大人しくしているのに飽きてきた頃だったしな。
たまにはガス抜きさせてやらんと気の毒だ」
黒オーク「ぶひょひょ~、ありがとうございます!」
毒触手「イヒヒ、久々に頃しを楽しめるってもんです」グネグネ
闇魔道士「我が闇魔法の威力……たっぷりとお見せしましょう」
57: 2016/03/25(金) 02:23:41 ID:fSARKG8k
青年「そういえば昔、旅人から聞いたことがある!」
赤毛娘「えっ!?」
青年「なんでも、よその国で無差別な殺戮を繰り返してた凶悪な三人組がいたって……。
しかも、結局今も捕まってないって……」
赤毛娘「あの三人がそうだっていうの?」
青年「確証はないけど……そうとしか考えられない!」
女主人(なるほど、あんな切り札を隠してたってわけかい)
女主人(さっきの兵士50人より、あの三人のがよっぽど厄介だね)
女主人(それと気になることがもうひとつ)
女主人(魔法陣を介してあの三人は登場したが、あれは闇魔道士の力じゃなく、
女騎士によるものだった)
女主人(あいつは魔法を使えないはずなのに……どうして……)
赤毛娘「えっ!?」
青年「なんでも、よその国で無差別な殺戮を繰り返してた凶悪な三人組がいたって……。
しかも、結局今も捕まってないって……」
赤毛娘「あの三人がそうだっていうの?」
青年「確証はないけど……そうとしか考えられない!」
女主人(なるほど、あんな切り札を隠してたってわけかい)
女主人(さっきの兵士50人より、あの三人のがよっぽど厄介だね)
女主人(それと気になることがもうひとつ)
女主人(魔法陣を介してあの三人は登場したが、あれは闇魔道士の力じゃなく、
女騎士によるものだった)
女主人(あいつは魔法を使えないはずなのに……どうして……)
58: 2016/03/25(金) 02:26:35 ID:fSARKG8k
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