スウェーデンの「まっとうな生活」送れない移民追放計画、人権団体から批判の声

【4月18日 AFP】移民(1年以上滞在する外国人)に対し「まっとうな生活(犯罪など犯さず、社会に適合して生きること)」を義務付け、違反した場合は国外追放とするスウェーデン政府の計画に対し、一部の人権団体や法曹から差別的だとの批判の声が上がっている。

スウェーデンのウルフ・クリステション政権は中道右派3党による少数連立政権で、極右政党「スウェーデン民主党」の閣外協力を受けて過半数を確保している。移民と犯罪の取り締まり強化を公約に掲げ、2022年に発足した。9月の総選挙を前に公約を果たそうと、さまざまな分野での改革を急ピッチで進めている。

議会で可決されれば、「まっとうな生活」に関する法律は7月13日に施行される予定だ。

この変更により、移民庁は非EU(欧州連合)市民に対する在留資格を付与・更新する際、申請者が過去に公共の秩序や安全を脅かしたことがあるか、過激思想に共感していたか、暴力を扇動する団体と関係があったか、罰金刑に相当する軽犯罪を犯したことがあるかなどを考慮することになる。

その他の考慮事項としては、「返済する意思がないのにお金を借りた場合」や「借金を返済そぶりが全く見られない場合」、組織的な物乞い、社会保障給付の不正受給、不法就労などが挙げられる。

基準を満たさず「まっとうな生活」をしていないと判断されると、国外追放される可能性がある。

人権団体「市民権擁護者」の法律顧問、ジョン・スタウファー氏はAFPに対し、「この改革の影響を受ける移民にとって、その影響は非常に深刻だ」と述べた。

スウェーデン民主党のルドビグ・アスプリング報道官(移民政策担当)は計画発表時の記者会見で、「発言、つまり人が言ったり表現したりすることは、それ自体がまっとうな生活を送っていない証拠とみなされるべきではないが、例えば、人格に問題があることを示す証拠となり得る暴力的な過激主義とのつながりを示すこともある」と述べた。

スタウファー氏は、「これは、人が持つ権利が、法的地位や国籍の有無、在留資格の有無によって異なる制度を生み出すことになる」「国民であれば、広範かつ強力に保護された表現の自由が保障される。国民ではない場合も表現の自由はあるが、国民ほど強力ではない」と主張した。

■「他人の家に滞在する客」

この法案は、移民の在留資格の取り消しを容易にするものだ。

ヨハン・フォシェル移民相はAFPに対し、「スウェーデンに滞在することは人権ではない。そのことを忘れてはならない」と述べた。

「スウェーデンに来て国籍を持たない場合、他人の家に滞在する客のようなものだ。だから、この国の一員になりたいという意思を示す必要がある。努力し、周囲に協力して自分の役割を果たし、働かなければならない」と述べた。

政府は、「まっとうな生活」の要件に違反する行為や行動の具体的なリストをまだ公表していない。

難民認定希望者への法的支援を提供するスウェーデン難民法律センターは、新たな考慮事項によって在留資格認定申請手続きが予測不可能になると述べている。

同センターの弁護士、エリアス・ニーグレン氏はAFPに対し、「さまざまな状況下での自分の行動がどのように評価されるか分からないため、不安感も生じさせる」と語った。

一部の人権団体は、特定の種類の活動が「まっとうな生活」の要件に反するとみなされる可能性を懸念している。

環境保護団体グリーンピース・スウェーデンのフリーダ・ベングトソン代表はAFPに対し、「私たちは市民的不服従、つまり非暴力とわれわれの行動の指針となる原則に関する研修を実施している。この問題がますます頻繁に提起されるようになっている」と述べた。

「多くの人が現在の不確実性のために行動を起こすのをためらい、活動から離脱している。あえてリスクを冒そうとはしないからだ」と付け加えた。

日刊紙ダーゲンス・ニュヘテルに掲載された風刺的な論説の中で、作家のゲッレールト・タマス氏は、フォシェル移民相を含む一部の閣僚も国外追放の対象とするべきだと主張。

法案草案の文言を引用し、「ヨハン・フォシェル氏は『暴力を助長する組織との明確なつながり』を持っている」「彼の息子はかつて、公然のネオナチ団体『アクティブクラブ・スウェーデン』に所属していたからだ」と述べた。

2025年7月、当時16歳だったフォシェル氏の息子がアクティブクラブ・スウェーデンに所属していたことがメディアで報じられたが、フォシェル氏はそのことを知らなかったと述べた。

タマス氏は、「フォシェル氏の釈明──『これは深く後悔している15歳の少年が起こした事件で、彼はつい最近16歳になったばかりだった』──は、まっとうな生き方を評価する上で、ほとんど考慮されないだろう」と述べた。(c)AFP

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